麻雀において「形に強くなる」とは、効率的に手牌を進め、勝率を上げるための重要なスキルです。
アガリを目指す過程では、効率よく有効牌を引き込む形を作ることが勝敗を大きく左右します。
しかし、形の効率を正しく理解しているプレイヤーは意外と少なく、「なんとなく切っている」だけでチャンスを逃してしまうことも少なくありません。
この記事では、初心者から中級者に向けて「形に強くなる」ための基本的な考え方やコツを解説します。
形の効率を学ぶことで、手牌の進め方が格段にスムーズになり、自信をつけて麻雀スキルをアップしましょう。
麻雀の形に強くなる!プロ考案の「何切る問題」10問
麻雀で形に強くなるには、「何切る問題」を解くことが近道です。
下記の問題はどうやって牌を切っていくのがいいのか、初心者が悩みそうな盤面です。
下記の問題を解いて、麻雀のスキルを磨きましょう。
問題1
- 2のマンズのトイツ
- 4,5,6のマンズのジュンツ
- 3,4のリャンメン
- 7,8のリャンメン
- 5,6,7のジュンツ
- 浮き3,9のソーズ
3のソーズを引いた時点で、浮いている牌は3のソーズと9のソーズです。
ほかのできているメンツを見ると、タンヤオが狙える状態のため、この場合、切るべき牌は9のソーズになります。
すでにターツになっている2のマンズがあるので、9のソーズはさらに浮き牌と認識できるでしょう。
ただし、3,4と7,8のリャンメンが完成すれば、3のソーズも切ることになります。
問題2
- 2のマンズのトイツ
- 2、3のマンズのリャンメン
- 7,8,9のジュンツ
- 4のピンズのトイツ
- 7,8,9のジュンツ
- 5のソーズのトイツ
- 5,6のソーズのリャンメン
ここでは、トイツが2つあり、ほかの待ちに関してはリャンメンになるため、トイツ落としが有効です。
どちらのトイツを落とすかの判断は、ほかの牌との関係性をチェックしましょう。
ほかの牌はほとんどがタンヤオ関係になっており、役をさらに上げるために、タンヤオを狙いつつ、捨て牌を決める必要があります。
そのため、2と9のトイツなら、9のトイツ落としが有効です。
問題3
- 2のマンズのトイツ
- 2、3のマンズのリャンメン
- 7,8,9のジュンツ
- 4のピンズのトイツ
- 7,8,9のジュンツ
- 5のソーズのトイツ
- 5,6のソーズのリャンメン
今回は、トイツ候補が3つあるので、トイツを落とすのが有効です。
待ちを広くするため、2のマンズを今回は落とします。
5のソーズは、6のソーズのドラを引いたため、上手くいかせるように、今回は落としません。
2のマンズの方が価値がないと判断できるため、5のソーズは残します。
また、4のピンズは3や5のピンズがないため、あたま以外に活用が難しいため、落とさずにそのままあたまにするべく、残しておきます。
これらより、2のマンズ、4のピンズ、5のソーズの中で、落として待ちが広くなり、効率がいい捨て牌は2のマンズです。
問題4
- 1のマンズのトイツ
- 4,5,6、7,8の3面待ち
- 7,8のピンズのリャンメン
- 3,4,5のソーズのジュンツ
- 8,9のソーズのペンチャン待ち
今回は、待ちの多い形を残す考え方を優先しています。
- 「4,5,6、7,8の3面待ち」→3,6,9のマンズ
- 「7,8のピンズのリャンメン」→6,9のピンズ
- 「8,9のソーズのペンチャン待ち」→7のソーズ
3面待ちのマンズと7,8のピンズ、8,9のソーズでは、ペンチャン待ちのソーズの待ちが1番少ないです。
3面待ちは最大で11枚の牌が山にありますが、ペンチャン待ちは最大で4枚になります。
11枚と4枚では、あがれる確率もかわってきます。
どんな牌を捨てていいのか迷った時は、待ち牌の枚数が多いところを残しておきましょう。
問題5
- 1のマンズのタンキ
- 3,4のマンズのリャンメン
- 4,6のピンズのカンチャン
- 8,9のピンズのペンチャン
- 1,2のソーズのペンチャン
- 2のトイツ
- 6,7のソーズのリャンメン
- 西(シャー)のタンキ
- 中(チュン)のタンキ
今回の形は、待ちが多く、まだまだどこを残しておくのか迷う配牌になっています。
このようなときに字牌があるときは、字牌を選びます。
今回、西(シャー)を選んだ理由は、1番関係ない牌だからです。
字牌は、3枚集まらないと面子として成立しないので集まる確率が低いです。
また、あたまとしても利用できますが、ほかの牌でもあたまになれる状態なので、ほかの待ちを広くする意味でも、字牌を今回は切りました。
問題6
- 1,2,3のソーズのジュンツ
- 7,9のソーズのカンチャン
- 6,7のマンズのリャンメン
- 7のマンズのトイツ
- 2のピンズのトイツ
- 7のピンズのトイツ
- 8のピンズのトイツ
今回は、ターツオーバーなので、トイトイまで伸びる可能性を考えて、9のソーズを切ります。
ジュンツが1つ完成しているので、7と8のピンズのトイツがイーペーコーやジュンツに伸びてもいいように待ちが少ないカンチャンを落とす選択をします。
今回の形では、引く牌によって、トイトイにも、イーペーコーにも役を作れる広い待ちにする捨て牌です。
問題7
- 3,5のマンズのカンチャン
- 5と7のマンズのトイツ
- 4,5,6,7,8のピンズの面待ち
- 3,5のソーズのカンチャン
- 7のソーズのトイツ
これまでの切り方で行くと、トイツが多いので、トイツ落としが丸いと感じます。
しかし、6のマンズを引いた場合、7のソーズを切ってしまうとあたまがなくなるので、どのトイツも落とすにももったいないと判断できます。
これらの思考から、3のソーズが落とす牌として有効です。
問題8
- 1、2のマンズのペンチャン
- 6,8のマンズのカンチャン
- 1,2,3のピンズのジュンツ
- 1,2,3のソーズのジュンツ
- 9のソーズのトイツ
- 北(ペー)のトイツ
現在の形から、1,2,3の三色同順をめざす手牌になります。
また、6,8のマンズ以外は、1,9と字牌のみの面子になっているため、チャンタも狙えます。
そのため、6,8のマンズを切るのが正解でしょう。
9のマンズが来た時に、8を活かせる可能性があるため、6から切ります。
問題9
- 7,8のマンズのジュンツ
- 6,8のピンズのカンチャン
- 4のソーズのアンコ
- 5,6のソーズのジュンツ
- 8のソーズのトイツ
- ハクのタンキ
- 中(チュン)のトイツ
現在の形から、ソーズの数が多く、ホンイツが狙えます。
ホンイツを狙うときは、字牌が重なるとスピードが上がるため、最後のいらない捨て牌まで残しておいても大丈夫です。
「7,8のマンズ」と「6,8のピンズ」で見たときに、カンチャンの方が揃いにくいので、ピンズを先に落とします。
基本的には、ホンイツを目指すように牌を選択して捨てましょう。
問題10
- 4,5のマンズのジュンツ
- 5のマンズのトイツ
- 5,6,7のジュンツor7,9のマンズのカンチャン
- 2のソーズのトイツ
- 5のソーズのトイツ
- 8のソーズのトイツ
- ハクのトイツ
現在の形は、ターツオーバーの2シャンテン、チートイツの1シャンテンです。
そのため、早く手牌を揃えるためにも、関係ない9のマンズを捨てるのが適切です。
麻雀の形に強くなるための基礎知識
ここでは、麻雀の形に強くなるための基礎知識を解説します。
麻雀初心者は、ここで麻雀の形の基礎を覚えて、何を切るのか正確に選べるようにしましょう。
麻雀における形の基本とは?(待ちの形)
麻雀の形には、下記のような種類があります。
名前 | 形 |
単騎待ち (タンキマチ) | |
両面待ち (リャンメンマチ) | |
間張待ち (カンチャンマチ) | |
辺張待ち (ペンチャンマチ) | |
双碰待ち (シャンポンマチ/シャボマチ) |
基本的に、この5つの形のいずれかになります。
麻雀の効率的な形を見極める判断基準
麻雀で効率的な形を作るには、手牌の「受け入れ枚数」を意識することが重要です。
受け入れ枚数が多ければ多いほど、次のツモで有効牌を引く可能性が高まり、和了に近づけます。
下記ポイントに気を付けて何を捨てたらいいのか考えましょう。
- 両面待ちを優先する
- 多面待ちを目指す
- 孤立牌を減らす
- 役とのバランスを考える
効率的な形を意識しながら手牌を進めることで、麻雀の勝率は格段に向上します。
判断力を磨いて、一歩先の戦略を目指しましょう!
麻雀の形を強くする3つのコツ
ここでは、麻雀の形に強くなるためのコツを紹介します。
牌効率の最大化を目指す
麻雀で勝率を上げるには、牌効率を最大化して手牌をスムーズに進めることが重要です。
牌効率とは、効率よくテンパイや和了を目指すための手牌構成のことです。
以下は、牌効率を最大化するためのポイントになります。
両面形を優先する
両面形(例: 4, 5で3または6を待つ形)は、受け入れ枚数が最大8枚と効率が良いです。
浮き牌を活用する
孤立した牌(浮き牌)は不要に見えますが、周辺の牌を引く可能性を考えると有効に働くことがあります。
序盤は特に、浮き牌を残して柔軟性を持たせることが大切です。
塔子(ターツ)の数を増やす
手牌に多くの塔子を持つことで、進行の選択肢が広がり、テンパイまでの速度が向上します。
複合形を作る
「1, 2, 3, 4」という形は、両面(2, 5)と嵌張(3)の待ちを持つため受け入れが広くなります。
こうした複数の待ちを持つ形を目指すことで、効率がさらに高まります。
形を崩すべきタイミングを見極める
麻雀では、効率的な形を保つことが基本ですが、時には形を崩す判断が必要です。
適切なタイミングで形を崩すことで、和了に近づけたり、相手の動きを抑制したりする効果があります。
- 役を作るために必要なとき
- 安全牌を確保したいとき
- 他家の動きに対応するとき
- リーチやテンパイ速度を優先するとき
多くの盤面をチェック
実践的な何切る問題を解いて、解き方や切るポイントを押さえて、実力アップしましょう。
何切る問題は、様々な盤面で準備されています。
麻雀は、切る牌が決まった盤面だけではなく、柔軟に考えて対応する盤面もあります。
何切る問題は、たくさんの盤面をチェックすると効率のいい牌が選べるでしょう。
麻雀の形に強くなる!「何切る問題」を学べるアプリ2選
ここでは、何切る問題が解けるアプリを解説します。
麻雀一択何切る
「麻雀一択何切る」は、麻雀の打ち筋や判断力を鍛えるための人気アプリです。
このアプリでは、さまざまな局面での「何を切るべきか」を考え、最適な選択肢を学べます。
2024年現在は588問が準備されており、豊富な問題数に、満足するプレイヤーが多いでしょう。
麻雀ウザク式何切る?
「麻雀ウザク式何切る?」は、麻雀の人気書籍である
- 「現代麻雀技術論」
- 「麻雀 傑作『何切る』300選」
などの著者である福地誠(通称ウザク)氏が監修した麻雀学習アプリです。
実戦での牌効率や判断力を養うためのツールとして、多くの麻雀ファンに愛されています。
お試しモードは10問ずつ出題され、無料で利用できますが、全モードの解放やランダム出現などの問題においては、有料となっています。
プラン | 料金 |
1ヶ月プラン | 500円 |
6か月プラン | 2,400円 |
12ヶ月プラン | 3,000円 |
麻雀の形に強くなるための本TOP3
ここでは、読めば麻雀の形に強くなる本を紹介します。
じっくり本を読んで麻雀の形を学びたい人におすすめです。
これだけで勝てる! 麻雀の基本形80
「これだけで勝てる! 麻雀の基本形80」は、マンガ風に麻雀を解説してくれる本です。
何切る問題は、解説のあとに記載されており、勉強してから問題を解く流れになっています。
初心者が迷いがちな場面でもすぐに対応できる「基本形」を中心に構成されています。
「形を覚えるだけで勝率が上がる」といった実感を得られる内容で、麻雀の楽しさをより深く味わえるようになる一冊です。
基本をしっかり固めたい方に特におすすめです!
麻雀 定石「何切る」301選
「麻雀 定石『何切る』301選」は、優先して覚えておくべき問題を集めた何切る問題集です。
解説がわかりやすく、解説を読むだけで麻雀スキルがメキメキと上がります。
麻雀1年目の教科書 (近代麻雀戦術シリーズ)
「麻雀1年目の教科書 (近代麻雀戦術シリーズ) 」は、麻雀初心者におすすめしたい1冊です。
初心者が最低限覚えておくべきパターンを4章に分けて記載しています。
この1冊を覚えておけば、初心者以上のスキルが身につきます。
麻雀の形に強くなるためのQ&A
最後に、よく寄せられる質問を解説します。
麻雀の形に強くなるためにも、参考にしてみてください。
- 麻雀であがる形は?
-
麻雀で上がるためには、特定の形を完成させる必要があります。
その形を「和了形(ホーラけい)」といい、役と必要な点数条件を満たしていることが前提です。
麻雀で上がる形は、4つの面子(メンツ)と1つの雀頭(ジャントウ)で構成されます。
しかし、特殊な形もあり、「トイトイ」と「国士無双」には決まった形があります。
- 麻雀が強い人の共通点は何ですか?
-
麻雀は運と実力が絡み合うゲームですが、強い人は共通して判断力を持っています。
- 牌効率を熟知している
- 場の状況を読む力がある
- 臨機応変な判断力
- 点数状況を考えた戦略
- メンタルが強い
- 学ぶ姿勢を持っている
上記ポイントを押さえている人が麻雀に強い人の特徴です。
麻雀のスキルを上げるため、上記の考え方と取り入れましょう。
- 麻雀で「愚形」とは何ですか?
-
麻雀における「愚形(ぐけい)」とは、受け入れ枚数が少なく効率が悪い形のことを指します。
基本的にはテンパイや和了がしにくい形を意味し、良形(りょうけい)と対比される概念です。
- 麻雀のターツとは?
-
「ターツ」とは、麻雀において完成していない面子(メンツ)の候補のことを指します。
つまり、あと1枚加わることで順子(シュンツ)や刻子(コーツ)になる形のことです。
ターツは手牌を効率よく完成させるために重要な概念で、牌効率の基本となります。
- 麻雀の形を暗記する必要がありますか?
-
麻雀を上達させるために、ある程度の形を暗記することは非常に有効です。
しかし、すべてを丸暗記する必要はなく、基本的な形や考え方を理解し、実践で活用できるようになることが重要です。
- 形を重視することで失点が増えることはある?
-
麻雀では、牌効率を重視して形を追い求めることは和了(あがり)を目指す上で重要です。
しかし、状況によっては、形を重視しすぎることで失点につながる可能性があります。
以下にその理由を解説します。
守備をおろそかにする場合
形を良くするために手牌を整え続けると、リーチや鳴きで攻めてくる他家に対応できず、危険牌を切ってしまうことがあります。
高い点数を狙いすぎる場合
形を整えながら高打点の役を狙うあまり、他家に先手を取られることがあります。
場の状況を無視する場合
他家がテンパイしている可能性が高い場面でも、形を追い続けることで危険牌を切り、結果的に放銃するリスクが高まります。
形を重視すること自体は麻雀において重要ですが、それだけに固執すると失点につながることがあります。
状況に応じて守備やスピードを優先し、形を追うリスクとメリットを冷静に判断することが、失点を防ぎつつ勝率を高めるポイントです。
形に強くなって麻雀スキルを上げよう!
当記事では、麻雀の形に強くなるポイントや、何切るか問題を解説しました。
麻雀の形に強くなるのは、何切る問題を解いて、たくさんの盤面を経験することで、実力がアップします。
麻雀において「形」を理解し、効率よく活用することは、スキルアップの基本です。
手牌を効率的に進めることで、テンパイや和了までのスピードを速め、勝率を上げれます。
まずは、両面(リャンメン)や嵌張(カンチャン)、辺張(ペンチャン)といった基本の形をしっかり覚えましょう。
これに加えて、受け入れ枚数の多い形を優先的に残すことが、牌効率を高めるポイントです。
ただし、形を追い求めすぎると失点のリスクが生じる場合もあります。
他家の動きや場の状況を見ながら、守備とのバランスを取ることも重要です。
理想的な形を目指しつつ、実戦の中で応用力を磨いていきましょう!