運営責任者
美園 京介 (編集長)
「麻雀みそのクラブ」は、麻雀の魅力をより多くの人に伝えるための情報発信サイトです。運営者は麻雀歴30年、全国大会での優勝経験を持ち、これまでに多数の初心者向け麻雀講座も担当してきました。
当サイトでは、初心者でも安心して麻雀に触れられるよう、ルール解説や用語の基本、打ち方のコツなどを丁寧に解説しています。これから麻雀を始めたい方から、家族や友人と気軽に楽しみたい方まで、幅広く活用いただける内容を心がけています。
麻雀の用語には、麻雀の経験が浅いと読み方も意味もわからないようなものがいくつもあります。
麻雀に関わる会話をしていると、当然そのような用語は頻繁に出てきますが、用語がわからないからといって、弾んでいる会話を止めるのは気が引ける方も多いでしょう。
そのような用語のひとつに、「順子(シュンツ)」があります。
本記事では、麻雀の「順子(シュンツ)」の概要を解説します。
併せて、麻雀で順子が多い手を狙うメリット・デメリットも解説するので、麻雀が強くなりたい初心者の方はぜひ参考にしてください。
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麻雀の順子(シュンツ)とは？
麻雀の「順子」とは、「同じ種類の数牌で連続する3つの数字を揃えてできる面子」です。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿は「4-7索」の両面待ちでテンパっていますが、すでに完成している面子は「6萬-7萬-8萬」、「3筒-4筒-5筒」、「東-東-東」の3つです。
このうち、「6萬-7萬-8萬」と「3筒-4筒-5筒」が連続する3つの数字を揃えてできているので、「順子」に該当します。
また、以下の牌姿も見てもらいましょう。
先ほどの牌姿と面子構成はまったく同じですが、「3筒-4筒-5筒」の部分がチーされています。
しかし、チーされていても「連続する3つの数字を揃えてできている面子」であることに変わりはないので、この牌姿でも「6萬-7萬-8萬」と「3筒-4筒-5筒」は「順子」です。
なお、「順子」の読み方は「じゅんこ」ではなく「シュンツ」です。
刻子との違い
麻雀では面子を作るときの形が、大きく「順子」と「刻子」に分けられます。
順子が「連続する3つの数字を揃えてできる面子」であるのに対して、順子は「同じ牌を3枚揃えることで成立する面子」です。
冒頭で出した牌姿を、もう一度見てみましょう。
この牌姿では「6萬-7萬-8萬」と「3筒-4筒-5筒」は刻子ですが、「東-東-東」は「同じ牌を3枚揃えてできている面子」なので、「刻子」です。
なお、順子は面前でも副露でもとくに名称は変わりませんが、刻子は面前のものを「暗刻」、副露したものを「明刻」といいます。
槓子との違い
麻雀の基本的な面子の形は「順子」と「刻子」ですが、「刻子」のイレギュラーな形に「槓子」があります。
刻子が「同じ牌を3つ揃えてできる面子」であるのに対して、槓子は「同じ牌を4つ揃えてできる面子」です。
しかし、麻雀の面子構成は基本的に「3枚1組」なので、槓子は手牌で揃えるわけではなく、鳴きの一種である「カン」を駆使して揃えることになります。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
先ほどから挙げている牌姿と牌の構成はほぼ同じですが、副露されている「東」が4枚になっています。
自分の手牌に3枚「東」があるとき、4枚目の「東」が場に切られたときに「カン」を宣言すると、上のような牌姿になります。
このとき、「東」は4枚1セットになっているので、「刻子」ではなく「槓子」です。
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麻雀で順子(シュンツ)が大事な主な役
麻雀にはさまざまな役がありますが、それぞれの役には成立条件が設けられており、順子が成立条件に含まれる役も多々あります。
麻雀で順子が大事な主な役を、いくつか紹介します。
平和
平和は、「4つの面子をすべて順子、雀頭を役牌以外で構成し、待ちが両面待ち以上である場合」に成就する1翻の役です。
面前でのみ成就し、鳴くと成就しません。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「6-9筒」で、どちらでアガっても平和でのアガりとなります。
一盃口
一盃口は、「萬子・筒子・索子のいずれかで同じ組み合わせの順子を2つ作る」ことで成就する1翻の役です。
面前でのみ成就し、鳴くと成就しません。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「2-5萬」で、「5萬」でアガれば萬子で「3-4-5」の順子が2組できるため、一盃口が成就します。
「2萬」でアガった場合は一盃口は成就せず、平和のみのアガりです。
三色同順
三色同順は、「萬子・筒子・索子のそれぞれで同じ数字の順子を作る」ことで成立する2翻の役です。
面前でも鳴いても成就しますが、鳴くと1翻に食い下がります。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「1-4萬」で、「1萬」でアガれば萬子・筒子・索子のそれぞれで「1-2-3」の順子ができるため、三色同順が成就します。
「4萬」でアガった場合は三色同順は成就せず、平和のみのアガりです。
一気通貫
一気通貫は、「萬子・筒子・索子のいずれかで「1-2-3」「4-5-6」「7-8-9」の3つの順子を作る」ことで成立する2翻の役です。
面前でも鳴いても成就しますが、鳴くと1翻に食い下がります。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「3-6索」で、「6索」でアガれば索子で「1-2-3」「4-5-6」「7-8-9」の3つの順子ができるため、一気通貫が成就します。
「3索」でアガった場合は一気通貫は成就せず、平和のみのアガりです。
麻雀で順子(シュンツ)が多い手を狙うメリット
麻雀の面子は順子と刻子に分けられ、配牌を見て成立させやすい形で面子を構成していくことになります。
手役の条件さえ満たせば面子は順子でも刻子でもかまいませんが、順子が多い役を狙うことはとくに攻撃において有利に働く場合があります。
麻雀で順子が多い手を狙うメリットを、紹介しましょう。
比較的テンパイしやすい
麻雀でアガるためには、少なくとも「テンパイ」の状態にもっていかなければなりません。
シャンテン数を進めるために必要な牌のことを「有効牌」と呼びますが、順子と刻子を比べると、順子のほうが有効牌の枚数が多くテンパイしやすいです。
たとえば、以下の2つの塔子を見てください。
左の塔子は「刻子の一歩手前」の塔子で、刻子になるためには「6萬」がもう1枚必要ですが、「6萬」の枚数は最大でも残り2枚です。
一方、右の塔子は「順子の一歩手前」の塔子で、順子になるためには「5萬」もしくは「8萬」が必要で、それらの枚数は最大で8枚です。
このように、順子を完成させるために必要な牌の枚数と、刻子を完成させるために必要な牌の枚数には大きな差があります。
麻雀で早くテンパることの重要性はとても大きいので、刻子系の手よりも早くテンパリやすいという観点だけでも、順子系の手には大きなメリットがあります。
良い待ちになることが多い
上で触れた「比較的テンパイしやすい」と関わりのある内容ではありますが、順子系の手は良い待ちになることが多いのも、メリットのひとつです。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「3萬」「1筒」で、「3萬」「1筒」とも残り枚数はMAXで2枚なので、上の牌姿の待ちはMAXでも4枚です。
続いて、上の牌姿の一部を変えた以下の牌姿を見てもらいましょう。
上の牌姿の待ちは「2-5萬」で、「2萬」と「5萬」の残り枚数はMAXで4枚なので、上の牌姿の待ちはMAXで8枚あります。
このように、順子系の手をテンパって最後の待ちが両面待ち(もしくは多面待ち)になると、刻子系の手の待ちよりもアガりやすい形になります。
ただし、順子系の手でも最後の待ちがカンチャン待ちやペンチャン待ちになると、待ちとしてはあまり良くないので、その点には注意しましょう。
役が複合すれば高打点を狙える
先ほど順子系の手として代表的な役をいくつか挙げましたが、それらはいずれも複合して成立する場合があります。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「4-7筒」で、例のように「4筒」をツモった場合、平和と一気通貫の両方が成就します。
続いて、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「3-6索」で、例のように「6索」をツモった場合、一盃口と三色同順の両方が成就します。
最後に、役が複合して高打点になる場合のかなり理想的な例をひとつ挙げましょう。
以下の牌姿をリーチして一発でツモったとします。
上の牌姿でのアガりで成立する役は、「リーチ、ツモ、タンヤオ、平和、三色同順、一盃口、ドラ×2」の9翻で倍満です。
リーチをしてアガった場合は裏ドラも確認できますが、手牌に2枚ある牌が裏ドラになった場合、11翻になるので3倍満にまで届きます。
このように、複数の役が複合することで高打点を狙える可能性があるのが、順子系の手のメリットのひとつです。
麻雀で順子(シュンツ)が多い手を狙うデメリット
上述したように、麻雀で順子が多い手を狙うことには主に攻撃面でのメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。
麻雀で順子が多い手を狙うデメリットを、紹介します。
鳴くと役が成立しなくなる場合がある
順子系の手には、鳴くと役が成立しなくなるものがあります。
平和や一盃口はどちらも面前でしか成立しない役で、鳴くと成立しません。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿は形の上では「1-4筒」待ちになっていますが、役がありません。
索子で「6-7-8」の形が2つありますが、チーをしてしまっているので一盃口が成立しないからです。
また、面前でも鳴いても成立するものの、鳴くと食い下がって翻数が下がる場合もあります。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「5-8萬」で、「2-3-4の三色同順」が成立していますが、三色同順は鳴くと1翻に食い下がってしまいます。
オーラスで逆転のために点数条件がある場合などは、面前で進めていれば打点が足りるものの、鳴いてしまうと打点が足りなくなるような可能性があるので注意しましょう。
役によっては高目安目がある
順子系の手は両面待ちになれば待ちが複数ある分だけアガりやすくなりますが、テンパイ形によっては高目安目がある場合があります。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿の待ちは「2-5索」で、すでに「7-8-9の三色同順」の形が成立しているので、「2-5索」のどちらでアガっても「平和、三色同順」が成立します。
一方、以下の牌姿ではどうでしょうか。
先ほどの牌姿とよく似ていますが、今回の牌姿の待ちは「6-9索」で、まだ「7-8-9の三色同順」の形は成立していません。
「9索」でアガれば先ほどと同じく「平和、三色同順」が成立しますが、「6索」でアガると平和のみのアガりです。
高打点を狙って手を作ってきたのに、最後のピースの違いで思ったような打点にならない可能性があることは、念頭に置いておきましょう。
他家が対子手や刻子手だとキー牌が埋まらない可能性がある
順子系の手は比較的テンパイしやすいですが、他家の手牌構成によってはキー牌が埋まらずに苦戦する可能性もあります。
たとえば、以下の牌姿を見てください。
上の牌姿はまだイーシャンテンですが、萬子の「3萬」や「6萬」を引くことで、三色同順や一盃口の可能性があります。
とくに「3萬」を引けば三色同順が確定して一盃口の可能性も残るので、この牌姿のキー牌は「3萬」といえるでしょう。
しかし、タンヤオを狙っている他家が場に出た「3萬」をポンしてしまうと、4枚しかないキー牌のうち3枚が一瞬でなくなってしまいます。
そのため、先ほどの牌姿に対する期待値はグッと低くなってしまいます。
ポンで所在がバレてしまう場合はまだよく、他家が自分のキー牌をこっそり暗刻にしていれば、「キー牌が残り少ない」こと自体わからないまま、局を進めなければなりません。
順調に思えるような手牌進行も、その裏には思わぬ落とし穴があるかもしれないことを、常に考慮しましょう。
麻雀の順子(シュンツ)は多くの役で見かける面子の形
麻雀の順子は、「同じ種類の数牌で連続する3つの数字を揃えてできる面子」です。
平和や三色同順・一気通貫など、多くの役で見かける面子の形といえます。
刻子と比べると有効牌の枚数が多いためテンパイしやすいですし、待ちも良形になることが多いです。
また、順子系の手は「平和、一気通貫」や「三色同順、一盃口」などのように複合しやすいので、高打点も狙えます。
ただし、一部の役は鳴くと成就しなくなりますし、成就したとしても食い下がって打点が下がる場合があることは、把握しておかなければなりません。
麻雀の面子の基本的な形の一種なので、麻雀に慣れ親しむことで順子についても自然とわかっていくでしょう。
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