麻雀で用いられる用語は独特なものが多いですが、「ダマテン」もそのような用語のひとつです。
ただ、実践においてはダマテンが有効なケースも多いので、麻雀での勝率を上げるためにはダマテンがどのようなものか知っておく必要があります。
本記事では、麻雀の「ダマテン」とは何かについて説明します。
ダマテンのメリット・デメリットなども併せて説明するので、ぜひ参考にしてください。
麻雀の「ダマテン」とはリーチをせずにテンパイしている状態のこと
麻雀の「ダマテン」とは、リーチをせずにテンパイしている状態のことを指します。
リーチをせずに「ダマ」って「テンパイ」していることから、「ダマテン」と呼ばれるわけです。
ダマテンと同じ意味で用いられる言葉には、「ヤミテン」もあります。
なお、ポンやチーなどの鳴きを入れている場合は、そもそもリーチができないのでダマテンやヤミテンといった表現が用いられることはありません。
麻雀のダマテンのメリット
麻雀でダマテンをすることには、メリットもあればデメリットもあります。
まずは、ダマテンのメリットについて説明しましょう。
ロンでのアガりを期待しやすい
麻雀でリーチを宣言すると、テンパっていることが他家に知れ渡るので、危険牌をなかなか切ってくれなくなります。
しかし、ダマテンの場合は他家もテンパっているのかどうかの判断が難しいです。
そのため、ロンでのアガりを期待しやすいのは、ダマテンの大きなメリットです。
待ちや打点の向上が見込める場合がある
ダマテンはリーチをしていないので、手牌を自由に変化させることができます。
たとえば、以下のような牌姿を考えてみましょう。
この牌姿で成立している役は、「ピンフ」だけです。
しかし、手牌の中の「1萬」が「4萬」に変わるだけで、「ピンフ、三色同順、タンヤオ、ドラ」と一気に4翻もアップします。
手牌の魅力をより高められる可能性があるのも、ダマテンの大きなメリットです。
相手からの攻撃に柔軟に対応しやすい
手牌を自由に変化させられるのは、攻撃面ではなく守備面においても大事です。
先ほど挙げた牌姿をもう一度考えてみましょう。
この牌姿で他家からリーチを受けて、リーチ者の現物に「2筒」があったとします。
自分がツモってきた牌が「5筒」だった場合、リーチをかけていればツモ切るしかありません。
しかし、ダマテンであれば手牌の「2筒」とツモってきた「5筒」を入れ替えて、安全にテンパイを維持することが可能です。
麻雀のダマテンのデメリット
上述したようにダマテンにはメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
ダマテンのデメリットを、説明しましょう。
役なしだとアガれない
役なしでテンパった場合、リーチをかけなければ他家からアガれる牌が切られたとしてもロンとはいえません。
役なしでテンパった際に、リーチをかけるかダマテンで押し通すかは、手牌の変化や他家との点差などを総合的に判断して決定する必要があります。
打点の向上が見込みにくい
リーチをかけた場合、「一発」や「裏ドラ」といった偶発的な要素で打点が向上する可能性がありますが、ダマテンにはそのような要素はないので、打点の向上が見込みにくいです。
たとえば上の牌姿では、「ピンフ」という役があるのでダマテンでもアガることができ、その際の役は「ピンフ」のみで、点数は1,000点です(ツモった場合はツモも付いて400,700)。
しかし、仮にリーチをかけて他家が一発で「1索」を切って、裏ドラが「6萬」だった場合の役は「リーチ、一発、ピンフ、ドラ3」となり、点数は12,000点(親なら18,000点)となります。
かなり都合のよい条件設定をしましたが、リーチはそれぐらい打点の向上が見込める役でもあります。
手牌の交換ができるというデメリットと、打点の向上が見込めないというデメリットを天秤にかけたうえで、ダマテンするかどうかを決めましょう。
相手にプレッシャーをかけられない
リーチをすれば、相手に自分がテンパっていることを伝えられるので、プレッシャーをかけることができます。
とくに親は打点が子の1.5倍になるので、親が「リーチ」と宣言すれば、子はなかなか逆らいにくいものです。
ダマテンのままだと他家はとくにプレッシャーを感じないので、手牌を自由に進行させてしまうことになります。
麻雀のダマテンは卑怯?「うざい」といわれ嫌われる理由
ダマテンは麻雀の立派な戦術のひとつですが、「うざい」といわれることもあります。
麻雀に対する考え方は人それぞれですが、「テンパったからにはリーチをかけて正々堂々勝負!」という考え方の人が一定数いることは否めません。
また、自分が勝負手でウキウキしているときにダマテンの人に放銃してしまうと、普段の放銃よりも「クソッ!」と思ってしまうでしょう。
そういった経験がある人が多いことが、麻雀でのダマテンが卑怯といわれて嫌われる理由のひとつと考えられます。
しかし、先ほども触れたようにダマテンは麻雀における立派な戦術のひとつなので、ダマテンすべきところでしっかりダマテンできる人のほうが、麻雀での勝率を上げていける可能性が高いです。
麻雀におけるダマテンかリーチかの判断基準
麻雀でダマテンすべきかリーチすべきかは、他家との点差や打点や待ちの向上がどの程度見込めそうかなどを総合的に考えて判断しなければなりません。
わかりやすい例として、オーラスで自分がトップ目の南家、2着は西家で点差は11,000点差というシーンを考えてみます。
このとき、西家がマンガンをツモっても点差は10,000点しか縮まらない(西家:+8,000点、自分:-2,000点)ので、自分はトップで半荘を終えられます。
しかし、この状況で自分がリーチをした後に西家がマンガンをツモると、点差は12,000点縮まる(西家:+8,000点+リーチ棒の1,000点=+9,000点、自分:-2,000点-リーチ棒の1,000点=-3,000点)ので、自分は2着に転落です。
このように、とくにオーラスでは自分がリーチをすることによって、順位を変動させるための他家の条件がどのように変わるかを意識して、ダマテンかリーチかを判断することが大事です。
ほかのシチュエーションでダマテンすべきかリーチすべきかは、実践で経験を積むことで、徐々にわかってくるでしょう。
相手のダマテンの見抜き方
麻雀の対局においては、当然相手もダマテンでテンパっている場合があります。
相手のダマテンを見抜くために注意すべきポイントを、説明します。
他家のリーチに対して危険牌を捨てている
リーチをかけている他家に対して、通っていない危険牌を切っている相手がいたら、その人はダマテンをしている可能性が高いです。
リーチをかけた相手がいる場合、対局者の注意はそちらに向くので、リーチ者に対して安全な牌は普段より切られやすくなります。
リーチ者の現物の中に自分の当たり牌がある場合、ダマテンをしていることで普段よりもアガりやすくなると考えられます。
手から突然安牌が出てきた
手から突然安牌が出てくるのは、「これまでもっていた安牌がいらなくなった=テンパった」ということを意味する場合が多いです。
もちろん、テンパイではなくイーシャンテンの状態で安牌を切ることもありますが、どちらにせよテンパイ間近であることは間違いありません。
手から突然場に3枚切れの字牌を切ったような相手は、ダマテンをしている可能性があると考えましょう。
捨て牌を悩まなくなった
手牌がどうなるのか悩ましいときは捨て牌を決めるときに悩みがちですが、テンパイしてしまえば、アガり牌以外は必要ないので捨て牌に悩まなくなります。
ツモってきた牌をとくに悩むことなく捨てている相手がいる場合、その人はダマテンをしている可能性があると考えてもよいかもしれません。
捨て牌の傾向が変わった
とくにホンイツやチンイツといった染め手をしている人の場合、捨て牌の種類によってダマテンの可能性を感じ取ることができます。
たとえば筒子の染め手をしている場合、最初のころは萬子や索子がバラバラと切られていきますが、徐々に字牌や筒子も切られるようになるはずです。
筒子が余り出してきたら、筒子のホンイツやチンイツをダマテンしていると考えて、筒子はなるべく切らないようにするほうがよいでしょう。
麻雀でダマテンを駆使してアガりを勝ち取ろう
麻雀におけるダマテンは、「ズルい」とか「卑怯」といわれることもありますが、勝率を高めるためのれっきとした戦術のひとつです。
ダマテンにはメリットもデメリットもあるので、ダマテンすべきかどうかはケースバイケースで判断しなければなりません。
ダマテンの判断は経験を重ねるごとに少しずつわかっていくようになると思いますので、ダマテンを駆使しながらアガりを勝ち取りましょう。