一般的に麻雀は4人そろわないとできませんが、4人のメンバーが都合よく集まらないこともあると思います。
そんなときには、「三麻」をためしてみるのがおすすめです。
本記事では、「三麻」とはどのような麻雀なのか、「三麻」独自のルールなどを解説します。
併せて、「三麻」をプレイする際のコツや「三麻」独自の役などについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
「三麻」とは「三人」で行う「麻雀」のこと

「三麻」とは、呼んで字のごとく「三人で行う麻雀」のことです。
一般的な麻雀では、各対局者が「東家」「南家」「西家」「北家」に分かれるので、プレイするためには4人の対局者が必要です。
一方「三麻」には、「東家」「南家」「西家」しかないので、3人いればプレイできます。
4人で集まって「三麻」をする場合は、各対局時に一人が「抜け番」になり、抜け番をグルグル回しながら進めるケースが多いです。

麻雀における「三麻」のやり方は?独自のルールを解説

通常の麻雀も「三麻」も、麻雀牌を使って行うゲームという観点では同じですが、「三麻」には通常の麻雀にはないルールがいくつかあります。
「三麻」独自のルールを、以下で紹介しましょう。
萬子の2~8は使わない
麻雀牌には、「萬子」「筒子」「索子」「字牌」がありますが、「三麻」では萬子の2~8は使いません。
萬子の牌をすべて除外するのではなく、「1萬」と「9萬」だけ残すのは、国士無双や清老頭といった役満が成立しなくなるのを避けるため、といった意味合いが大きいです。
萬子の2~8を使わないことにより、三色同順や萬子の一気通貫など、「三麻」では成立しない役がいくつかあります。
チーができない
麻雀の鳴きには「ポン」「チー」「カン」「ロン」がありますが、一般的に「三麻」ではチーができません。
「三麻」では牌の種類が少なくなる分、チーができてしまうと面子を作るのが圧倒的に簡単になってしまうからです。
そのため、順子を作りたい場合は自分のツモのみに頼ることになります。
通常の麻雀に慣れている人が「三麻」をプレイする際に陥りやすいミスなので、十分注意しましょう。
王牌を残さずすべてツモる
通常の麻雀では、ドラ表示牌の横から数えて7番目までの上下の牌、計14牌は「王牌」と呼ばれ、対局中にその牌をツモることはありません。
一方「三麻」では、王牌と呼ばれるものがないので、ドラ表示牌の横の牌まですべてツモり切らなければ流局とはなりません。
この点も通常の麻雀とは大きく異なる点なので、残り牌が14牌になった時点で「テンパイ」といって手を開かないようにしましょう。
北の扱いがルールによって異なる
「三麻」には「東家」「南家」「西家」しかなく「北家」がないので、「北」の扱いが一般的な麻雀とは異なります。
「北」の扱いは大きく2つに分けられ、1つめのケースでは「北」は常に場風として扱われます。
自分が何家であろうが、東場であろうが南場であろうが常に役になる字牌、と考えるとわかりやすいでしょう。
2つめのケースでは、「北」は抜きドラとして扱われます。
花牌を使って対局をしたことがあればわかりやすいと思いますが、「北」をツモってきた場合は手牌に入れずに、手牌から見て右端のほうにさらし、カンをしたときにツモってくるところから牌を1枚ツモってきます。
「北」を抜きドラとして扱う場合、単純計算でドラが4枚増えることになるので、より高打点が飛び交うスリリングな対局になりやすいです。
また、「北」を抜きドラとして扱うルールにおいてドラ表示牌が「北」の場合は、「北」をダブドラ扱いするのが一般的です。
ツモ損ありかなしかはルール次第
「ツモ損」という考え方があるのも、「三麻」独自といえます。
麻雀ではロンでアガった場合でもツモでアガった場合でも、もらえる点数は同じです。
たとえば子がマンガンをアガった場合、ロンならアガった相手から8,000点がもらえますが、ツモの場合も親から4,000点とほかの子から2,000点ずつの計8,000点がもらえます。
しかし「三麻」の場合、ツモったときに点数をもらえる相手が通常よりも少ないため、ロンでアガったときよりも点数が低くなってしまい、これを「ツモ損」と呼びます。
先ほど例に挙げた子がマンガンをアガった場合のケースを、ツモ損ありの場合となしの場合で比較してみましょう。
- ツモ損あり:親から4,000点、子から2,000点:計6,000点
- ツモ損なし:親から5,000点、子から3,000点:計8,000点
ツモ損なしのルールの場合、ロンでアガった場合と同じ点数に調整するために、支払う点数が一般的な麻雀とは異なります。
ツモ損なしのルールで遊ぶ場合、点数計算に慣れるまでに少し苦労するかもしれません。
三人麻雀「三麻」をプレイする際のコツ

「三麻」をプレイする際のコツは、通常の麻雀をプレイする際のコツと大きく変わりません。
しかし、通常の麻雀よりも使う牌の種類が少ないからこそ、より強く意識すべきポイントがいくつかあります。
まず、通常の麻雀よりも「牌効率」への意識を強くすることが大事です。
牌の種類が少ない分、面子の作り方も限定されるので、牌効率を意識しているかどうかでテンパイまでのスピードに大きな差が生じます。
牌効率が苦手な方は、「三麻」をプレイして鍛えるのもよいかもしれません。
また、牌の種類が少ないということは、捨て牌と自分の手牌から相手の手牌を推測しやすいということでもあります。
相手の手牌を推測できれば待ち牌になりそうな牌の目星が付きますし、自分が欲しい牌があとどれくらい残っているのかも予測しやすいです。
「三麻」をプレイするにあたっては、牌効率と手牌読みに対する意識を通常の麻雀よりも高くすることで、よい成績を残しやすくなるでしょう。

三人麻雀「三麻」の点数

先ほども少し触れましたが、ツモ損なしのルールでの「三麻」の点数計算は、一般的な麻雀とは少し異なります。
プレイしていく中で慣れていける部分ではありますが、一覧表などで事前に確認しておけるとより安心です。
ツモ損なしのルールにおける「三麻」の点数を、以下に表でまとめました。
なお、「三麻」ではツモった場合に「平和」を役として計算しないケースが多いので、20符の計算は省いています。
子の点数
30符 | 40符 | 50符 | |
1翻 | 1,000点(1,000点オール) | 2,000点(1,000点オール) | 2,000点(1,000点オール) |
2翻 | 2,000点(1,000点オール) | 3,000点(1,000点/2,000点) | 4,000点(1,000点/3,000点) |
3翻 | 4,000点(1,000点/3,000点) | 6,000点(2,000点/4,000点) | 7,000点(2,000点/5,000点) |
マンガン (4翻~5翻) | 8,000点(3,000点/5,000点) | ||
ハネ満 (6翻~7翻) | 12,000点(4,000点/8,000点) | ||
倍満 (8翻~10翻) | 16,000点(6,000点/10,000点) | ||
三倍満 (11翻~13翻) | 24,000点(8,000点/16,000点) | ||
役満 (数えの場合は14翻~) | 32,000点(12,000点/20,000点) |
親の点数
30符 | 40符 | 50符 | |
1翻 | 2,000点(1,000点オール) | 2,000点(1,000点オール) | 3,000点(2,000点オール) |
2翻 | 3,000点(2,000点オール) | 4,000点(2,000点オール) | 5,000点(3,000点オール) |
3翻 | 6,000点(3,000点オール) | 8,000点(4,000点オール) | 10,000点(5,000点オール) |
(4翻~5翻) | マンガン12,000点(6,000点オール) | ||
(6翻~7翻) | ハネ満18,000点(9,000点オール) | ||
(8翻~10翻) | 倍満24,000点(12,000点オール) | ||
(11翻~13翻) | 三倍満36,000点(18,000点オール) | ||
(数えの場合は14翻~) | 役満48,000点(24,000点オール) |

三人麻雀「三麻」の役

「三麻」における役は、一般的な麻雀における役と大きく変わりません。
翻数ごとの役を、以下に表でまとめました(ローカル役は除いています)。
翻数 | 役 |
1翻 | 立直 ツモ 一発 ピンフ タンヤオ 一盃口 嶺上開花 槍槓 ハイテイ ホウテイ |
2翻 | ダブル立直 七対子 対々和 三暗刻 一気通貫 三色同刻 混老頭 チャンタ(メンゼンの場合) 小三元 三槓子 |
3翻 | 混一色(メンゼンの場合) ジュンチャン(メンゼンの場合) 二盃口 |
6翻 | 清一色(メンゼンの場合) |
役満 | 国士無双 大三元 四暗刻 字一色 小四喜 緑一色 九連宝燈 清老頭 大四喜 四槓子 天和 地和 |
また、「三麻」には通常の麻雀では成立しない役や、通常の麻雀でアガったときと点数の考え方が異なる役がいくつかあります。
それらをピックアップして、以下で紹介しましょう。
4枚使い七対子
七対子は一般的に、7種類の牌をそれぞれ2枚ずつ集めることで成立する役です。
しかし「三麻」では、同一の牌を2枚ではなく4枚集めて、それらを2枚×2のペアとして扱って七対子を成立させることができます。
上の牌姿では1萬をツモってくることで、4枚使い七対子が成立します。
なお、上の牌姿は一盃口形としても考えられるので、「1萬」でアガれば4枚使い七対子、
「1筒」もしくは「西」でアガれば一盃口という珍しい牌姿です。
「三麻」では比較的よく見かける牌姿なので、一盃口だけでなく4枚使い七対子でもアガれることを忘れないようにしましょう。
萬混(萬子の混一色)
「三麻」で用いられる萬子は「1萬」と「9萬」だけなので、筒子や索子と比べると混一色を成立させるのが圧倒的に難しいです。
そのため、「三麻」では萬子の混一色は役満として扱われます。
メンゼンで成立させるのは至難の業なので、ポンを駆使しながらアガりを目指しましょう。
流し役満
一般的な麻雀では、河にタンヤオ牌を捨てずに1,9,字牌だけを捨て続けて対局者の誰にも鳴かれないまま流局を迎えた場合、流しマンガンが成立します。
同じことを「三麻」で行おうと思うと、通常の麻雀よりもアガりが発生しやすいことや、王牌まですべてツモり切る必要があることなどから、達成がはるかに難しいです。
そのため、「三麻」では流しマンガンが成立した際には、役満として扱うのが一般的です。
人和
人和は子が自分の第一ツモよりも前に他家が捨てた牌でアガった際に成立する役で、通常の麻雀では8翻役として扱われます。
「三麻」でも人和はありますが、8翻役ではなく役満として扱われるのが一般的です。
ただし、自分にツモが回ってくる前にポンやチーなどの鳴きが入った場合は、人和は成立しなくなります。

三人麻雀「三麻」の放銃率と和了率の理想的なバランス

「三麻」は対局者が3人であることから、放銃率や和了率のバランスが通常の麻雀とは異なります。
麻雀のスタイル(攻撃型・守備型・バランス型など)によって理想的なバランスは変わってきます。
「三麻」もできる麻雀アプリでよい成績を残している方の戦績を踏まえると、以下のようなバランスに収まるのが理想的といえそうです。
- 和了率:29%~31%、放銃率:13%~14%
- 和了率:28%~29%、放銃率:11%~13%
上のバランスがより攻撃的、下のバランスがより守備的というイメージです。
始めたばかりでこの数値を実現するのは難しいですが、それくらいのバランスに収められることを意識しながら対局してみましょう。

通常の麻雀に慣れたら「三麻」にもチャレンジしてみよう

「三麻」は「麻雀がしたいのにメンツが3人しか集まらない」というときに役立つゲームですし、麻雀プレイヤーの中には「通常の麻雀よりも三麻のほうが好き」という人もいるぐらいです。
「三麻」は使う牌が通常の麻雀よりも少ない、「北」の扱いが特殊、ツモった場合に点数が損になることがあるなど、独自のルールがいくつかあるので、慣れるまでは少し混乱してしまうかもしれません。
しかし、牌効率を鍛えるのには効果的ですし、通常の麻雀よりも高打点が出やすいので、スリリングな対局を楽しめます。
通常の麻雀に慣れた方は、ぜひ「三麻」にもチャレンジしてみましょう。