麻雀はルールさえわかれば誰でも楽しめるゲームですが、肝心の「ルールさえ」というところで難しく感じる部分も少なくありません。
しかも、ゲーム全体に関わってくるようなルールが取り決め次第で大きく変わることがあるのも、麻雀をややこしいものに見せてしまっている一因といえるでしょう。
本記事では、麻雀の半荘戦に関する意味やルールを解説します。
併せて、半荘戦と並んでメジャーなルールである東風戦との違いなども説明しますので、麻雀のことを知って間もない初心者の方はぜひ参考にしてください。
麻雀の「半荘戦」とは「南4局」までをひとつの区切りとするルール
麻雀の半荘戦とは、「南4局」が終わったときをそのゲームの終了タイミングと定めているルールです。
麻雀の大きな特徴のひとつとして、「親が順番に回りながらゲームが進行する」ことが挙げられます。
ゲーム開始時は「東場」の「東1局」であり、「東家」の人から親がスタートするのが、麻雀のすべてのルールにおける決まりです。
そこから反時計回りに親を移動しながら、ゲーム開始時に親だった人が再び親を務めるタイミングで、「南場」の「南1局」に移ります。
親の移動とそれぞれの人が「何家」かをまとめると、以下のようになります。
ゲームスタート時の席 | ||||
東家 | 南家 | 西家 | 北家 | |
東1局 | 東家 | 南家 | 西家 | 北家 |
東2局 | 北家 | 東家 | 南家 | 西家 |
東3局 | 西家 | 北家 | 東家 | 南家 |
東4局 | 南家 | 西家 | 北家 | 東家 |
南1局 | 東家 | 南家 | 西家 | 北家 |
南2局 | 北家 | 東家 | 南家 | 西家 |
南3局 | 西家 | 北家 | 東家 | 南家 |
南4局 | 南家 | 西家 | 北家 | 東家 |
上の表を見ると、「南4局」を終えた時点ですべての対局者が親(東家)を2回ずつ務めていることがわかるでしょう。
つまり半荘戦は、「東場」と「南場」を終えてすべての対局者が少なくとも親を2回務め終わった時点でゲームが終了するルールです。
麻雀においては「親」と「子」ではそれぞれメリット・デメリットが異なるので、すべての対局者が「親」と「子」を同一回数ずつこなしたタイミングで、ゲームが終わるようにルールが設定されています。
麻雀で「半荘戦」以外に採用されることがあるルール
半荘戦は、麻雀対局時に採用されることの多いメジャーなルールですが、半荘戦以外に採用されることがあるルールもいくつかあります。
半荘戦以外に採用されることがあるルールの特徴を、以下で説明しましょう。
東風戦
東風戦は半荘戦と同じくらいメジャーなルールであり、麻雀の対局では「半荘戦」と「東風戦」のどちらかがほぼ採用されます。
「東風戦」は呼んで字のごとく「東の風」であり、「東場」のみで終わるルールです。
半荘戦は「東場」と「南場」を経て終わるルールなので、半荘戦の半分で終わるルールと考えるとわかりやすいでしょう。
半荘戦の半分でゲームが終わってしまうため、序盤にリードを築くことができれば非常に有利ですし、逆に序盤に劣勢に立たされると半荘戦以上に厳しい戦いを強いられます。
そういった要素から、同じ麻雀というゲームでも半荘戦とは異なる立ち回りが求められるのが、東風戦の魅力のひとつです。
一荘戦(全荘戦)
一荘戦(全荘戦)の説明をする前に、まず半荘戦がなぜ「半」なのかを説明しましょう。
麻雀では対局者が「東家」「南家」「西家」「北家」に分かれており、場も「東場」から「南場」へと進み、南場が終わることで半荘戦が終了します。
しかし、各対局者への割り振りが「東」「南」「西」「北」の4とおりあるように、本来のルールでは「場」も「東場」「南場」だけでなく、「西場」「北場」までありました。
ただ、「東場」から始まって「北場」まで続行する、つまり各対局者が親を4回務めるルールだと、ゲームが終わるのにかなり長い時間がかかってしまいます。
そのため、本来のルールの「半分」である「東場」と「南場」が終わった時点でゲーム終了としているのが、「半荘戦」なのです。
このことを踏まえると一荘戦(全荘戦)は、ゲームを南場で終わらせずに「西場」「北場」と続けて、北場が終わった時点でゲーム終了となるルールであることがわかります。
なお、先ほど触れたように対局終了までにかなり長い時間がかかるので、一荘戦(全荘戦)のルールが対局で用いられることはほとんどありません。
一局戦
一局戦は麻雀のルールの中でもかなり独特で、ほかのルールとは異なり「各対局者が親を一定回数務め終わった時点でゲーム終了」となるわけではありません。
より端的にいうと、対局者の誰かがアガった時点でゲーム自体は終了して次のゲームに移ることになります。
つまり、1回1回の局の間につながりがなく、すべての局が独立したゲームと考えられるのが一局戦です。
一局戦では親はそれぞれの対局者でもち回りになるのではなく、その対局でアガったプレイヤーが次回の対局での親になるのが一般的です。
展開が非常にスピーディーで、時間がないときでも気軽に楽しめるのが一局戦の魅力といえるでしょう。
麻雀の「半荘戦」と「東風戦」の違い
先ほども少し触れましたが、いわゆる雀荘で麻雀を打とうと思った場合、「半荘戦」と「東風戦」のどちらかのルールが設定されているケースが大半です。
どちらも「麻雀」であることに変わりはないのですが、「半荘戦」と「東風戦」では異なる点がいくつかあります。
「半荘戦」と「東風戦」の違いを、以下で紹介しましょう。
親を行う回数
半荘戦では東場だけでなく南場まで行うので、対局者はそれぞれ2回ずつ親を行います。
一方東風戦では、東場でゲームが終わるので、各対局者は1度しか親を行いません。
親はアガったときの点数が子の1.5倍になるという大きなメリットがあるので、麻雀において自分の親番にしっかりと高打点の手をアガることはとても大事です。
半荘戦だと、東場の親が流れたとしても「まだ南場の親があるから大丈夫」と焦らずにゲームに取り組むことができます。
しかし、東風戦でビハインドのまま自分の親が終わってしまうと、そこから逆転するのはなかなか厳しいです。
親が1度しかないか2度あるかによって、手牌価値に対する判断も変わってくるので、そういった点では半荘戦と東風戦は大きく異なるといえるでしょう。
1ゲーム終了までにかかる時間
対局が東場で終わるか南場まで続くかは、1ゲーム終了までにかかる時間にも大きく影響します。
一般的に半荘戦にかかる時間は45分~1時間弱程度、打つのが早い人同士で卓を囲んでいても30分程度です。
一方、東風戦にかかる時間は半荘戦よりも当然短く、早ければ20分程度で終わってしまいます。
時間がない中でもスピーディーに楽しめるのは、東風戦の大きな魅力のひとつです。
麻雀の半荘戦と東風戦はどっちがおすすめ?
半荘戦と東風戦はどちらのほうが良い悪いではなく、ルールの違いがあるだけです。
ただ、ルールの違いによるそれぞれの特徴によって、半荘戦と東風戦のどちらをより楽しいと思うかは人それぞれでしょう。
半荘戦と東風戦、それぞれがおすすめな人やシチュエーションを以下で紹介します。
半荘戦のほうがおすすめな人やシチュエーション
半荘戦は、もっともオーソドックスといえる麻雀のルールであり、手作りや他家との駆け引きなどを存分に楽しむことができます。
そのため、
- 多少時間をかけてでも自分の納得のいく手でアガりたい
- 手出しツモ切りなどを見て、相手の手を推測しながら振り込まないように打ちまわしたい
など、「麻雀」というゲームをじっくり楽しみたい方にはとてもおすすめです。
親が2回あり、1回目の親が流れてしまったとしても、2回目の親が終わるまでは着順を一気に上げるチャンスが残されています。
そのため、一発逆転を狙うような打ち方をしたい方にも半荘戦は向いているでしょう。
東風戦と比べると少し時間がかかるので、シチュエーションとしてはある程度時間を確保できている場合や、この後に大事な用事が控えていないような場合に楽しむのに向いています。
東風戦のほうがおすすめな人やシチュエーション
東風戦は各対局者の親が1回しかなく、最短で4局で1ゲームが終わってしまうため、限られたチャンスを確実にものにすることが求められます。
そのため、アガれる見込みの高い手をもらった際には、「この手をいかに高くするか」よりも「この手でいかに早くアガるか」という方向に考えることが大事です。
必然的に半荘戦よりも鳴きの比率が高くなり、その分平均打点は低くなります。
鳴き麻雀が好きな方や、相手のチャンス手をつぶしてサッとアガったときに快感を覚えるような方には、東風戦のほうが向いているでしょう。
また、20分程度の短い時間で1ゲームできるのも、東風戦の魅力です。
ちょっとしか時間が取れない場合や、まだ麻雀を始めて間もない友人に手軽に麻雀の魅力を伝えたいようなときにも、東風戦は向いています。
半荘戦と東風戦の違いを踏まえて麻雀を楽しもう
半荘戦と東風戦はどちらも麻雀のルールのひとつであり、各対局者が親を務める回数や、1ゲーム終了にかかる時間などの点で異なります。
それぞれ特徴やメリットが異なるので、どちらも等しく楽しめる方もいると思いますが、「半荘戦のほうが好き」「東風戦のほうが楽しい」など、人によって好みが分かれるのは当然です。
街中のフリー雀荘などで打つ場合、お店によってどちらのルールを採用しているかは異なります。
半荘戦と東風戦のどちらか打ちたいほうが決まっている場合は、お店で採用しているルールを事前に確認しておくのがよいかもしれません。
普段は半荘戦しか打たない方が東風戦を打つことで新たな発見がある場合がありますし、もちろんその逆も然りです。
半荘戦と東風戦、それぞれの特徴を踏まえたうえで麻雀を楽しみましょう。