麻雀でアガるためには「役」が必要であり、麻雀の役にはさまざまな種類のものがあります。
麻雀初心者が最初に習う平和やタンヤオのように成立条件がシンプルな役もあれば、条件が比較的難しい役もあるのです。
そんな役のひとつに「純チャン」と呼ばれる役がありますが、成立条件をきちんと把握しておかなければ、狙うべき場面で狙うことができません。
本記事では、麻雀の純チャンの成立条件や翻数などを解説します。
純チャンのメリット・デメリットなども解説するので、麻雀が強くなりたいと思っている初心者の方は、ぜひ参考にしてください。
麻雀の純チャンとは?成立条件や点数を解説
麻雀の純チャンとは、手牌のすべての面子に少なくとも1枚の一九牌を含めることで成就する3翻の役です。
たとえば、以下の牌姿を見てください。

この牌姿の待ちは「1-4筒」ですが、「1筒」でアガると雀頭を含むすべての面子に少なくとも1枚の一九牌が含まれることになるので、純チャンが成就します。
なお、もう片方のアガり牌である「4筒」でアガると、「2筒-3筒-4筒」の面子に一九牌が含まれないため、純チャンは成就しません。
そのため、リーチをかけていない場合、「1筒」ではロンアガりができますが、「4筒」では役がないためロンアガりできません。
鳴きを入れても成立する
麻雀の役は、面前でしか成就しないものと鳴いても成就するものに分けられますが、純チャンは鳴いても成就する役です。
ただし、純チャンは食い下がりが発生する役なので、面前で成就すると3翻ですが鳴いて成就させた場合は2翻になります。
手牌の形にもよりますが、打点が半分かそれ以下まで下がるので、打点計算を行う場合は十分注意しましょう。
チャンタとの違い
一九牌を使う役としては、純チャン以外に「チャンタ」という役があります。
純チャンが「すべての面子に少なくとも1枚の一九牌が含まれる役」であるのに対して、チャンタは「すべての面子に少なくとも1枚の一九字牌が含まれる役」です。
そのため、純チャンとチャンタは「手牌に字牌を含んでいるかどうか」で分類できます。
たとえば、以下の牌姿を見てください。

この牌姿の待ちは「1萬」と「9萬」のシャンポン待ちで、どちらでアガっても純チャンが成就します。
一方、以下の牌姿ではどうでしょうか。

この牌姿の待ちは「1萬」と「9萬」のシャンポン待ちですが、先ほど「1索の暗刻」だったところが「南の暗刻」に変わっています。
「すべての面子に少なくとも1枚の一九牌が含まれる」の条件は満たさなくなりましたが、「すべての面子に少なくとも1枚の一九字牌が含まれる」の条件は満たしています。
そのため、上の牌姿は「1萬」と「9萬」のどちらでアガってもチャンタが成就する牌姿です。

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麻雀の純チャンのメリット
対局中に純チャンを狙うべきかどうかを判断するためには、純チャンという役の特徴を把握しておかなければなりません。
まずは、麻雀の純チャンのメリットを紹介します。
純チャン三色のような高打点を狙える
純チャンはそれ自体が3翻の役なので、高打点の手を狙いたいときには重宝します。
また、純チャンは他の役と複合することもあるので、うまくいけばハネ満や倍満クラスの手を仕上げることも可能です。
たとえば、以下の牌姿を見てください。

上の牌姿の待ちは「1-4萬」で、「1萬」でアガれば純チャンと同時に「1-2-3の三色同順」も成就します。
そのため、リーチをかけて1萬でアガれば、ロンでも「リーチ、純チャン、三色同順」の6翻でハネ満になります。
より理想的な例として、以下の牌姿を見てもらいましょう。

上の牌姿の待ちは「1-4筒」ですが、リーチをかけて「1筒」を一発でツモったとすると「リーチ、平和、一発、ツモ、純チャン、三色同順、一盃口、ドラ2」の12翻で驚きの三倍満になります。
今回の例では裏ドラは考慮していませんが、数え役満を採用しているルールでの対局で1枚でも裏ドラが乗っていれば、数え役満まで到達します。
平和形でこれだけの高打点を狙える可能性があるのは、純チャンの大きなメリットのひとつです。

待ちが読まれにくい
純チャンでは牌が端に寄っていることから、待ちがカンチャン待ちやペンチャン待ちになるケースも少なくありません。
そのため、待ちが読まれにくくうまくロンアガりを狙える場合もあります。
たとえば、リーチをかけるまでの捨て牌と最終形が以下のようになったとしましょう。


この牌姿の待ちは「ペン7筒」ですが、捨て牌には「4-7」の形で「7筒」の筋になる「4筒」が、序盤に捨てられています。
そのため、現物がなく捨て牌に困った他家が筋を追って「7筒」を切ってくれるかもしれません。

手牌の守備力が高めになる
麻雀では、端牌よりも真ん中の牌のほうが相手に放銃するバリエーションが多くなります。
たとえば、「5」の牌で両面以上の待ちに放銃する場合のバリエーションは、「2-5」「5-8」「2-5-8」の3パターンあります。
一方、「9」の牌で両面以上の待ちに放銃する場合のバリエーションは、「6-9」と「3-6-9」の2パターンだけです。
そのため、真ん中の牌が多めの手牌よりも端牌が多めの手牌のほうが、相手から先制リーチを受けた場合などの守備力という観点では優れています。
手牌の守備力を高めながら、うまく進行できた場合には高打点につながる純チャンは、攻守両面において優れた役といえるでしょう。
麻雀の純チャンのデメリット
上述したように、純チャンには多くのメリットがありますが、同時にデメリットもいくつか抱えています。
麻雀の純チャンのデメリットを、紹介します。
狙いがバレやすい
純チャンでは主に端牌を手牌に残しますし、相性のよいチャンタへの渡りも考慮するため、端牌だけでなく字牌を大事にするケースも多いです。
そのため、序盤から4,5,6などの真ん中に近い数の数牌をどんどん捨てていき、手牌が進むにつれて字牌や端牌が切られることになります。
これは一般的な手牌進行から考えると違和感があるため、他家も「何を狙っているんだ?」と訝しむことでしょう。
その結果、「純チャンやチャンタを狙っているな」ということがバレてしまい、必要な牌がなかなか切られなくなってしまう可能性が考えられます。
両面待ちにならないことも多い
麻雀で「よい待ち」とされるのは、両面待ちや三面待ちなどの「当たり牌が複数ある待ち」です。
当たり牌が複数あれば、数学的な観点から考えてよりアガりやすくなるのは、自明の理といえます。
一方、「あまりよくない待ち」とされるのは、ペンチャン待ちやカンチャン待ちなどの「当たり牌が1種類しかない待ち」です。
当たり牌が最大で4枚しかありませんし、その牌がカンされてしまえばそのままの形では絶対にアガることはできません。
純チャンは手牌が端によっているという特徴上、待ちが両面待ちではなくペンチャン待ちやカンチャン待ちになるケースも多々あります。
打点が高いという魅力はあるのですが、アガりにくいケースが多いという弱点は、把握しておかなければなりません。

赤ドラが使えない
最近の麻雀では、萬子・筒子・索子それぞれの「5」の牌に1枚ずつ「赤ドラ」を入れるケースが多いです。
赤ドラは通常のドラと同じく、もっているだけで1翻上がる効果があるので、高打点を狙いたいときには重宝します。
また、「5」の牌は手牌に組み込みやすいという点においても便利です。
ただし、純チャンを狙う場合、「5」の牌を使うことはありません。
便利で手軽に打点を上げられる赤ドラを使えないことは、純チャンの大きなデメリットのひとつといえるでしょう。

両面待ちの安目は一気に打点が下がる
先ほど、「純チャンはペンチャン待ちやカンチャン待ちになりやすい」とお伝えしましたが、もちろん純チャンでも両面待ちになる場合はあります。
ただし、両面待ちになった場合はペンチャン待ちやカンチャン待ちになった場合とは異なるネックが生まれます。
それは、「高目安目が存在する」ことです。
たとえば、以下の牌姿を見てください。

上の牌姿の待ちは「2-5萬」で、「2萬」でアガると一盃口が成就するので「2萬」が高目、「5萬」が安目となります。
一盃口であれば、成就しなくても1翻下がるだけで済みますが、3翻の純チャンが成就しないとなると、打点は大幅に下がります。
打点の変化が顕著な例として、以下の牌姿を見てもらいましょう。

上の牌姿の待ちは「6-9筒」ですが、リーチをかけて「6筒」と「9筒」それぞれでロンアガりした場合の打点は、以下のようになります。
- 6筒:リーチ→1翻
- 9筒:リーチ、純チャン、三色同順→6翻
このように、安目と高目で大幅に打点が変わるようなケースもあるので、安目の牌でアガるべきかどうかは、事前に決めておくことが大事です。
麻雀で純チャンを狙うべき場面
純チャンは成立条件が少し特殊な役なので、すべての局面において狙える役というわけではありません。
麻雀で純チャンを狙うべき場面を、紹介します。
配牌でチャンタ関連の牌が多いとき
麻雀では、配牌を見たときにおおよその最終形をイメージすることが大事です。
2~8のタンヤオ牌が中心の配牌であれば、素直にタンヤオを狙っていくことになるはずであり、無理矢理純チャンを狙うことはありません。
一方、一九牌や字牌が多めの配牌をもらったときは、純チャンやチャンタを意識しながら手牌進行することになるでしょう。
ひとつの例として、以下に挙げるような配牌をもらったなら、純チャンやチャンタを選択肢として考えながら手牌を進めるのがおすすめです。

鳴いても満貫が見えるとき
純チャンは面前で進めると3翻の役ですが、鳴くと食い下がって2翻になります。
3翻は中打点の手として価値がありますし、面前で進めてリーチをかければ満貫以上が確定します。
一方、鳴いてしまうと翻数が3翻から2翻に落ちるだけでなくリーチもかけられないので、一発や裏ドラなどの恩恵にも与れません。
鳴き仕掛けで純チャンを狙うのであれば、「鳴いても満貫が見えるとき」がおすすめです。
たとえば、以下のような牌姿のときに、上家が切った「8索」をチーするかどうかを考えてみましょう。

上の牌姿では、「カン8索」をチーして「6筒-8筒」の塔子を落としていくことで、「純チャン、ドラ2(もしくはドラ3)」の満貫を狙えます。
そのため、積極的にチーするのがおすすめです。
一方、以下のような条件ではどうでしょうか。

先ほどと牌姿はまったく同じですが、ドラが「9萬」から「5萬」に変わっています。
そのため、鳴くと「純チャン」の2翻にしかなりません。
2翻の手を全力でアガることに価値がある局面であればチーしてもOKですが、そうでない場合はチーを控えて面前で勝負するのがよいでしょう。
逆転のためにハネ満クラスの手が必要なとき
純チャンは面前で3翻の役なので、リーチをかければその時点で満貫が確定します。
また、平和や一盃口、三色同順などとも複合する可能性があり、それらの役と複合したうえでリーチをかけてツモれば、ハネ満以上のアガりになります。
麻雀では、どのような打点の手を狙うのも自由ですが、オーラスは着順を逆転するために打点条件が課されることも少なくありません。
たとえば、自分が2着の子で1着の子との点数差が13,500点の場合、ハネ満をツモれば逆転できます。
そのようなケースでは、面前で3翻の純チャンは、打点条件を満たすために重宝する役のひとつといえるでしょう。
逆転条件を満たしてオーラスでトップを取る快感は、麻雀で何度も経験したいことのひとつです。

麻雀の純チャンは高打点を狙える美しい役
麻雀の純チャンは、「手牌のすべての面子に少なくとも1枚の一九牌を含む」ことで成立する3翻の役で、鳴くと2翻に食い下がります。
一盃口や三色同順などの役と複合すれば、ハネ満以上の高打点を狙うことも可能です。
手牌が端牌中心になることから、守備の対応を迫られるようなシーンでも比較的安全に戦えます。
塔子の構成要件が比較的厳しいことから、「美しい役」といわれることもあり、麻雀プレイヤーの中には純チャンを好んで狙う方もいるぐらいです。
着順逆転のために高打点が必要なシーンなどで、純チャンが狙えそうな配牌をもらったら、積極的に狙ってみましょう。

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