我々が麻雀をするときに何気なくつかっている「牌」ですが、その素材や材質は多岐にわたります。
また、素材や取り扱っているブランドによって価格もまちまちで、高級ブランドから販売された麻雀牌の中には、信じられないような値段のものもあります。
麻雀牌がどのような素材からできているかを知ることで、麻雀をより深く知るきっかけになるかもしれません。
本記事では、麻雀牌の素材の見分け方や価格などを説明します。
自分が普段使っている牌がどのような素材でできているのか知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
麻雀牌の素材の見分け方
麻雀牌がどのような素材でできているかは、一目見て分かる場合と分からない場合があります。
たとえばこの後紹介しますが、竹やガラスでできている牌であれば、触った感じや見た感じだけで竹やガラスだと判断できるでしょう。
ただ、樹脂でできているような牌の場合、素材の候補を知らなければどのような樹脂製なのかは分からない可能性が高いです。
麻雀牌の素材を見分けるためには、そもそも麻雀牌の素材の候補にはどのようなものがあるのか、事前に知っておく必要があるでしょう。
麻雀牌の素材一覧
我々が普段使うような麻雀牌は大量生産されているものなので、とりわけ珍しい素材でできているわけではありません。
ただ、麻雀牌の中には非常に希少価値の高い素材でできているものもあります。
一般的なものから珍しいものまで、麻雀牌の主な素材を以下で紹介します。
ユリア樹脂
ユリア樹脂は、尿素とホルマリンの反応によって得られる熱硬化性樹脂であり、尿素樹脂とも呼ばれます。
麻雀牌に用いられる素材としてはもっともポピュラーなものです。
麻雀牌は不特定多数の人が触れることでベタつくことがありますが、ユリア樹脂製の麻雀牌はベタつきや臭いが気になりにくいのが長所です。
多少加工がしにくいので、デザインはシンプルでオーソドックスなものが中心です。
適度な重みがあるので、「牌を持っている」という感覚をしっかり感じたい人にはおすすめといえるでしょう。
アクリル樹脂
アクリル樹脂も麻雀牌に用いられる素材としては定番のひとつで、比較的リーズナブルな価格のものが多いのが特徴です。
ユリア樹脂製のものと比べると少しベタつきや臭いが気になることがありますが、手に吸い付くような感触があるので、牌さばきのしやすさはアクリル樹脂製のほうが優れています。
ユリア樹脂より加工がしやすいのも特徴で、少し変わったデザインの麻雀牌を作れるのはメリットです。
竹
背面の素材に竹が用いられている麻雀牌も、樹脂製のものよりは少ないですが一定数存在します。
流通している数自体が少ないので価格は高めの傾向にありますが、手に自然と馴染む感触には一定のファンがいます。
合成樹脂とは異なり自然由来の素材をそのまま利用しており、湿気の多い場所に放置しておくとカビが生えてしまう可能性があるので、風通しの良いところで保管することを心がけましょう。
ガラス
一風変わったところだと、ガラスでできている麻雀牌も存在します。
ガラスは透明なことが特徴であり、そのまま使うと牌の種類自体が対戦相手にも筒抜けなので、通常の麻雀とは異なる心理戦を楽しみたいときなどには向いているかもしれません。
なお、牌が透けている麻雀としては漫画「アカギ」の「鷲頭麻雀」が有名です。
鷲頭麻雀で使われていた牌を模した商品も売られていますが、売られている牌はガラスではなくアクリル樹脂でできています。
陶器
流通量の少ない珍しい牌としては、陶器を素材とした牌も挙げられます。
陶器独特の手触りや感触があるのが特徴ですが、一般的なユリア樹脂やアクリル樹脂製の牌とは感触が異なるので、初めて触れるときには少し違和感を感じるかもしれません。
また、陶器製の牌は強い衝撃を与えると割れてしまう可能性があるので、取り扱いには要注意です。
象牙・牛骨
麻雀牌に用いられる素材の中でもっとも高価で珍しいものといえば、象牙や牛骨でしょう。
そもそもの流通量自体が少ないうえに、現在はワシントン条約の影響で象牙の輸入が禁止されています。
そのため、象牙製の麻雀牌で現在流通しているのは、ワシントン条約が発効される前に発売されたものです。
見かけることはほぼないと思いますが、コレクション用のものであれば珍品を取り扱っているようなお店に行けば見つけられるかもしれません。
木
竹と同じ自然の素材を使って作られた麻雀牌としては、木でできた麻雀牌もあります。
木特有の温かみを感じられますが、湿気に非常に弱いので取り扱いには注意が必要です。
紙
カード麻雀のようなものも含めれば、紙でできている麻雀牌もあるといえるでしょう。
カード麻雀は持ち運びに便利で本格的な卓や牌がなくても麻雀を楽しめますが、紙特有の弱さがある点には注意しなければなりません。
麻雀牌の値段【プロ仕様から高級品まで】
麻雀牌の値段は、素材やサイズによって大きく変わります。
先ほど挙げた素材の中で、特殊なものを除いた一般的な麻雀牌の値段は、おおむね以下のとおりです。
- ユリア樹脂:5,000~8,000円
- アクリル樹脂:2,000~3,000円
- 竹:20,000円~
- 象牙:150,000円~
特別な用途に用いるのでない限り、ユリア樹脂やアクリル樹脂の麻雀牌で十分でしょう。
素材やサイズ以外に麻雀牌の値段に影響するものとしては「ブランド」が挙げられますが、それは以下で詳しく紹介します。
高級ブランドから発売された麻雀牌
麻雀牌は、全自動卓を製造・販売しているような企業で取り扱われているのが一般的です。
ただ、そういった業務用に麻雀牌を取り扱っている企業だけでなく、全世界的に有名なブランドが麻雀牌を発売している(いた)こともあります。
ブランドが発売している麻雀牌は通常の麻雀牌よりも値段は高くなりますが、オリジナルのデザインと唯一無二の雰囲気が魅力です。
以下では、麻雀牌を発売したことがあるブランドを紹介します。
ティファニー
高級ブランドが発売した麻雀牌の中で日本でもっとも広く知られているのは、ティファニーが発売したものでしょう。
ティファニーのイメージカラーである「ティファニーブルー」を基調にシックな色合いになっており、全体的にかわいい印象を与えます。
発売時にはインフルエンサーが購入するなど話題を呼び、その金額は15,000ドル(約230万円)でした。
現在公式サイトでは取り扱っていないので、欲しい場合はオークションサイトなどを根気よく探す必要があります。
エルメス
高級ブランドの代名詞ともいえるエルメスでも、麻雀牌が販売されています。
素材にはシカモア材やマホガニー材が用いられており、年月を重ねることによる風合いの変化を楽しむことができます。
デザインは全体的に薄めなので、実際に使用するというよりはコレクション目的で購入する人が多いでしょう。
現在でもエルメスのオンラインショップで購入することが可能で、金額は220万円です。
ルイ・ヴィトン
存在感のあるロゴでおなじみのルイ・ヴィトンでも、重厚感のあるトランクケースに入った麻雀牌を販売しています。
背が木目調になっており、全体的にかわいらしいデザインが特徴です。
現在でもルイ・ヴィトンのオンラインショップで購入することが可能で、金額は約980万円です。
グッチ
イタリアの高級ブランドのグッチでも、「ブラウン デメトラ トリム」という非動物性由来のサステナブルで再生可能なバイオベース原料を中心に使用した素材を用いた、麻雀牌を取り扱っています。
牌のひとつひとつにマーブルのような紋様が入っており、一般的な麻雀牌にはないミステリアスな雰囲気を感じさせられる仕上がりです。
グッチのオンラインショップで購入することが可能ですが、受注生産で4~5カ月以内の発送となり、金額は264万円です。
プラダ
高品質なカバンや財布などが人気のプラダでは、牛革のケースに入った麻雀牌を販売しています。
麻雀牌の素材自体はアクリル樹脂で特別珍しいものではありませんが、漆黒ともいえるほどの黒さの牌は、ある意味異質です。
現在でもプラダのオンラインショップで購入することが可能で、金額は110万円です。
シャネル
芸能人御用達の高級ブランドとしておなじみのシャネルでも、麻雀牌を販売していました。
すでに公式サイトで取り扱われていないため、どのような商品なのかを確認するのは非常に難しいです。
しかし、SNSに挙がっている画像から確認される限りは、黒を基調としたシックなデザインのもののように思われます。
オークションサイトなどでも見かけることはほぼないので、販売価格に関しても不明です。
フェラーリ
高級スポーツカーブランドとして馴染みの深いフェラーリでも、麻雀牌を取り扱っていたことがありました。
黒を基調としたデザインで、これまで紹介してきたブランドの麻雀牌の中では、もっとも実用的なデザインのように思われます。
すでに公式サイトでの販売は終了していますが、Amazonや楽天市場では30万円強の金額で取り扱われているので、正式な価格もそれくらいと推測されます。
ラルフローレン
ラルフローレンで取り扱われていた麻雀牌は、白と金を基調とした専用の箱に入れられており、非常に上品な印象を与えます。
素材として用いられている木が与える柔らかな雰囲気も、本商品の印象づくりに一役買っています。
すでに公式サイトでは取り扱われていませんが、過去に販売されていた際の金額は約54万円でした。
プレイには麻雀牌だけでなく麻雀卓も必要
高級な素材で作られたものや高級ブランドから発売されたものでなければ、麻雀牌の金額はそこまで高いわけではなく、自宅用に購入することも十分可能です。
ただ、自宅で麻雀を楽しむためには、麻雀牌だけでなく麻雀卓も必要です。
最近では山を自動で積んでくれるだけでなく、配牌まで自動でセッティングしてくれる全自動卓も増えてきましたが、便利になるとその分価格も上がるのは必然といえるでしょう。
山は自動で積んでもらえるが配牌は自分で取る必要がある卓でも、新品で買おうと思えば安くても10~30万円程度はします。
配牌まで自動でセッティングしてくれる、現時点で最新の全自動卓になると、80~90万円程度は見ておかなければなりません。
中古で購入すればもう少し費用を抑えることは可能ですが、自宅で麻雀ができる環境を整えるためには、ある程度の出費が必要であることは念頭に置いておきましょう。
麻雀牌はいろいろな素材でできている
我々が普段雀荘で触れるような麻雀牌は、ユリア樹脂と呼ばれる合成樹脂でできているものが中心です。
ただ、麻雀牌の素材にはほかにも竹や陶器・ガラスなど、さまざまな種類があります。
普通に麻雀を打っているだけではあまり目にすることもないと思いますが、素材によって見た目や手触りなども大きく変わるので、そういった麻雀牌でプレイする機会があれば新鮮な発見があるでしょう。
高級ブランドから発売された麻雀牌は醸し出す雰囲気からして別物なので、一風変わった麻雀牌に対してアンテナを張っていれば、いつかおもしろい麻雀牌に出会えるかもしれません。