麻雀には多くの役がありますが、その中のひとつに立直(リーチ)があります。
リーチは麻雀の役の中でも基本的な役のひとつであり、実戦で目にする機会も多いです。
ただ、基本的かつシンプルであるがゆえに、リーチの扱いには麻雀の腕が色濃く表れるといえるでしょう。
本記事では、リーチのメリット・デメリットを説明します。
併せて、リーチが効果的なタイミングやリーチを打つべきでないタイミングについても説明するので、麻雀が強くなりたい初心者の方はぜひ参考にしてください。
立直(リーチ)とは麻雀の役のひとつ!成立条件も解説

立直(リーチ)とは麻雀の役のひとつであり、面前でテンパっている状態で「リーチ」と発声しながら捨て牌を横に曲げ、千点棒を1本供託として場に出すことで成立します。
麻雀の役にはいろいろな成立条件がありますが、リーチは上述した手順を踏むだけで成立する役で、1半荘打てば自分と他家合わせて延べ6~10回程度は目にする程度には出現頻度が高いです。
面前であることが条件になっているので、ポン・チー・カンをしている状態ではできないことや、供託として千点棒を出す必要があるので、点数が1,000点以上なければできないことには注意が必要です。

麻雀における立直(リーチ)のメリット

麻雀でリーチをすることには、メリットもあればデメリットもあります。
まずは、麻雀でリーチをすることのメリットを説明しましょう。
役を付けられる
麻雀では、何かしらの役がなければアガることはできません。
たとえば、上の牌姿では平和という役が成立しているので、当たり牌である「1-4筒」を他家が切ったらロンをすることが可能です。
しかし、待ちは同じでも上の牌姿では何の役も成立していないので、当たり牌である「1-4筒」を他家が切ってもロンはできません。
このようなときにリーチ宣言をして「リーチ」という役を付けることで、当たり牌が切られた場合にアガれるようになります。
翻数が1翻上がる
麻雀では翻数が上がるほど点数も高くなるので、手の翻数をなるべく高くすることが大事です。
リーチは1翻の役なので、リーチ宣言をするだけで翻数が1翻上がることになります。
元々3翻の手をテンパっていた場合、リーチをすることで4翻になるので、確実にマンガン以上の点数になります。
一発や裏ドラの期待がある
リーチをした後、自分のツモ番が回ってくる前までに他家が当たり牌を切った、もしくはリーチ後の自分の最初のツモ番でアガった場合に付くのが、「一発」という役です。
また、リーチでアガった場合は通常のドラに加えて「裏ドラ」を見る権利もあります。
「一発」や「裏ドラ」のように偶発的な要因で点数が一気に向上する可能性があるのも、リーチの大きな魅力といえるでしょう。
他家を自由に打たせなくできる
リーチを宣言するのは、「私は今テンパっています」と宣言するのと同義です。
そのため、他家は当たり牌を切らないように進行しなければならなくなります。
- 切りたい牌があるのに、リーチ者に対して当たるかもしれないから少し手組みを変えなければならない
- ダマでテンパっていたけど、危険牌を掴まされたから降りなければならない
など、他家を自由に打たせなくできるのもリーチの大きな強みです。
ただ、この点は後述するデメリットと表裏一体な部分でもあるので、注意が必要です。
麻雀における立直(リーチ)のデメリット

上述したように、麻雀でリーチをすることには多くのメリットがあります。
その一方で、リーチをすることにはデメリットもあるので、それらを以下で説明しましょう。
テンパイしていることが他家にバレる
リーチをすることは、自分がテンパっていることを周囲に宣言するのと同じです。
その結果、他家は慎重に打つようになるので、リーチをしていなければ切っていた牌を切ってくれなくなるかもしれません。
役ありでテンパっており、サッとアガって局を流したいときには、リーチは控えるのが無難です。
当たり牌やカンできる牌以外はすべて捨てなければならない
リーチを宣言した後は、当たり牌やカンできる牌以外はすべてツモ切る必要があります。
不必要なドラをもってきても切らなければなりませんし、下家が萬子の染め手をしているときに萬子をもってきても、危険とわかりながら切らなければなりません。
こういったデメリットと、「1翻アップ+一発や裏ドラによる偶発的な点数向上のメリット」を天秤にかけたうえで、リーチをするべきかどうかを判断しましょう。
手変わりができない
当たり牌やカンできる牌以外はすべてツモ切る必要があるということは、リーチ宣言後は手変わりができないということでもあります。
たとえば上のような手でリーチをかけた場合、ドラの「8萬」をもってきても切るしかありません。
リーチをせずにダマったままの状態で「8萬」をもってきたら、「2萬」もしくは「5萬」と入れ替えてからリーチをすることで、ドラを使い切ることができます。
有効な手変わりがあるケースでは、リーチをせずに待っていることが効果的な場合もあるでしょう。

麻雀で立直(リーチ)が効果的なタイミング

麻雀におけるリーチは、役のひとつであると同時に戦法のひとつでもあります。
そのため、効果的なタイミングでリーチをかけることで戦いをより有利に進めやすくなります。
麻雀でリーチが効果的なタイミングを、以下で紹介しましょう。
テンパっているけど役がないとき
麻雀では、形としてテンパっていても、役がなければアガることができません。
リーチをすれば役を付けることができるので、他家が切った牌に対してロンといえるようになります。
ドラが暗刻で入っていて最終形が両面待ちになっているが役がない、などのような場合は、絶対にリーチがおすすめです。
上位と点数に差があるとき
リーチをすることで翻数が1翻上がるので、リーチを打つだけでアガったときの打点は必ず向上します。
また、リーチをすることで「一発」や「裏ドラ」といった、偶発的な点数向上の恩恵にあずかれるかもしれません。
自分が3位や4位に沈んでおり上位と点数に差があったとしても、リーチをかければ一気に点差を縮められるチャンスです。
相手の足止めをしたいとき
リーチをかけて「自分がテンパっている」ことを他家にアピールすることで、他家は自由に打牌ができなくなります。
放銃しないように手を曲げるかもしれませんし、場合によってはテンパっている状態から降りてくれるかもしれません。
とくに、テンパイ連荘のルールで対局しているときは、テンパイ状態を維持して親を継続できるかどうかが大事です。
親でリーチをかけることで相手の足止めができるので、アガれなくても連荘できますし、もちろんアガれてもよしと、対局を支配できます。

麻雀で立直(リーチ)しないほうがいいタイミング

上述したように、麻雀にはリーチをかけることで戦いを有利に進めやすくなる局面がある一方で、リーチをかけることが「悪手」になってしまう場合もあります。
麻雀でリーチをしないほうがいいタイミングを、以下で紹介しましょう。
ダマテンですでにマンガンあるとき
麻雀において、「マンガン」は高打点のひとつの基準であり、マンガンの手をアガったらその後の対局をある程度有利に進められます。
そのため、役ありのダマテンですでにマンガンあるときは、リーチをかけずに確実にアガることを重視したほうがよいでしょう。
リーチをすることで他家が当たり牌を切ってくれなくなり、アガれるはずだったマンガンの手をアガれなくなってしまうのは、とてももったいないです。
手変わりによる待ちや打点の向上が見込めるとき
リーチをかけることのデメリットのひとつに、「手替わりができなくなる」ことがあります。
上の牌姿はテンパってはいますが役がないので、このままだと当たり牌の「6-9索」が切られてもロンとはいえません。
ということでリーチをしたくなる方もいると思うのですが、この手は「6萬」が「9萬」になるだけで「純チャン、三色同順」になる可能性を秘めています。
そのため、テンパったからといってすぐにリーチしてしまうと、リーチ後に「9萬」をもってきたときに後悔する可能性が高いです。
打点ではなく待ちがより優秀になる場合もあり、シャンポン待ちが両面待ちに、両面待ちが3メンチャン待ちに変化すれば、よりアガりやすくなります。
手替わることで待ちや打点の向上が見込める場合は、リーチを少し待ってみてもよいかもしれません。
リーチ棒を出すことで他家の逆転条件が緩くなるとき
麻雀はトップを取ることを目指すゲームなので、他家との点差は常に意識しておく必要があります。
とくに、オーラスで逆転されると再逆転するチャンスがないので、他家の逆転条件を正確に把握しておかなければなりません。
もっともわかりやすいのは、「オーラスの子で自分がトップ、2位との点差が10,100点~11,000点のとき」です。
このとき、自分がリーチしなければ2位がマンガンをツモっても着順は変わりませんが、自分がリーチをした後に2位がマンガンをツモると、出したリーチ棒分で着順が変わってしまいます。
そのため、他家が逆転するためにハネ満を狙う必要がなくなるので、手作りの難易度が下がります。
リーチ棒を出すことによって相手を楽にしてしまうようなシチュエーションでは、安易なリーチは禁物です。

おまけ:麻雀の立直は英語の「リーチ」とは関係ない

麻雀におけるリーチは基本的な役のひとつですが、戦局を大きく左右する奥深い役でもあります。
最後にリーチに関する豆知識をひとつお伝えしておくと、「リーチ」と聞くと英単語としてもなじみ深い、「Reach」を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、麻雀におけるリーチを英語表記すると「Riichi」となります。
こういった豆知識も頭に入れながら、ぜひリーチを使いこなしてください。