麻雀をしていると「振り込む」という言葉をよく聞きます。
振り込めば負けるとわかっていても、リスクや原因を理解しているプレイヤーは意外と少ないかもしれません。
麻雀は運要素も絡んでくると考えがちですが、振り込むことは単なる運の問題ではなく、プレイヤーの判断ミスや心理状態に大きく関わっています。
当記事では、「振り込む」原因を深掘りし、これを避けるための戦略や心構えを解説します。
繰り込まない麻雀をプレイして、負けないプレイヤーになりましょう。
麻雀の「振り込む」とは?
最初に麻雀の「振り込む」行為について解説します。
振り込む行為は、自分にとってマイナスなアクションです。
振り込むとどのような状況になるのかをここでは詳しく解説していきます。
振り込む=他のプレイヤーの和了(あがり)を助けてしまうこと
麻雀の「振り込む」とは、自分が捨てた牌が他のプレイヤーの和了(アガリ)に必要な牌と一致してしまい、ロンであがられる行為です。
「振り込む」アクションは、相手が「ロン」といえば成立します。
自分が捨てた牌が相手の役にぴったり合い、役が完成した場合、その牌を振り込んだことになります。
振り込めば、ゲームの流れを大きく変え、しばしば敗北の原因となります。
振り込まないためには、プレイヤーは自分の捨て牌に注意を払い、他のプレイヤーの手牌の進行状況を見極めましょう。
振り込むと相手に点数を与えてしまう
麻雀で振り込めば、相手に点数を与えることになります。
振り込んだプレイヤーは、成立した役の点数をすべて自分の点数から支払います。
また、振り込んだ相手が親だった場合、点数が通常の1.5倍になるので注意が必要です。
- 親に振り込んだ場合
支払う点数は1.5倍 - 子に振り込んだ場合
支払う点数は通常
麻雀で振り込みが成立する状況とは
ここでは、麻雀において振り込みが成立する状況について解説していきます。
相手があと1牌であがれるとき(リーチ・ダマ)
振り込みが成立する一つの典型的なケースは、「相手があと1牌であがれるとき」、つまりテンパイ状態にある場合です。
テンパイとは、あと1つの牌でアガリが確定する状態です。
テンパイのプレイヤーは、狙っているアガリ牌(待ち牌)を引くか、他のプレイヤーが捨てることであがれます。
自分が相手の待ち牌を捨ててしまうと、相手がその牌であがり、振り込みが成立します。
相手が「ポン」「チー」をしていない
テンパイ状態の相手は、リーチをかけてない状態でも、ロンできるので注意しましょう。
リーチ状態では、あと1牌であがれるとわかる状態ですが、ポンやチーをしていない「ダマ」の状態でもあがれます。
「ダマ」でもテンパイ状態であれば出した牌がアガリ牌であった場合、振り込みになります。
相手が捨てていない牌
テンパイの状態であるプレイヤーの捨て牌以外を出した場合、振り込みになる可能性があります。
リーチやダマのプレイヤーは、捨て牌以外の牌で「ロン」ができる状況です。
リーチ後は、そこからの捨て牌すべて安全牌になります。
テンパイしているであろう相手の捨て牌以外を自ら出す場合は、振り込みになる可能性が高いため、注意しましょう。
麻雀初心者必読!振り込みを減らす対策
ここでは、麻雀初心者向けに、振り込みを減らすための対策について解説します。
麻雀をプレイするなら、勝つために振り込まないよう、対策を勉強していきましょう。
相手の捨て牌をチェック!現物はすべて安全牌
振り込まないためには、相手の捨て牌を常にチェックしましょう。
テンパイしている人は、自分の捨て牌でロンできません。
すなわち、現物は安全牌になり、テンパイしているプレイヤーの捨て牌を捨て続けられれば、振り込みを回避できます。
相手が親であったり、自分の点数が少なくて、絶対に振り込みたくない状況であれば、現物を捨てましょう。
字牌は捨て牌の数によって安全
1つの字牌は4枚までしか存在していないため、状況によって安全牌になります。
字牌は下記の種類があります。
- 白(ハク:字の記載なし)
- 發(ハツ)
- 中(チュン)
- 東(トン)
- 南(ナン)
- 西(シャー)
- 北(ペー)
国士無双と同じ字牌を3つ揃えると、字牌が役として利用可能です。
国士無双をテンパイしている状況は論外ですが、同じ字牌が3枚捨てられている状況では、役として利用できないため、安全牌として捨てられます。
確実に役にならない、待ち牌にならない牌を捨てることで振り込みを対策しましょう。
リーチ後はすべての捨て牌が現物
リーチした後は、捨てた牌すべてが安全牌になります。
リーチをかけた人だけではなく、すべてのプレイヤーの捨て牌が安全牌です。
仮に、リーチ後、リーチしていないプレイヤーAが「中(チュン)」を捨てた後に、真似して「中(チュン)」を捨てたとします。
自分の「中(チュン)」でリーチしたプレイヤーがロンした場合、チョンボとなり、リーチしたプレイヤーはあがれません。
本来なら、プレイヤーAが「中(チュン)」を出した時点で、リーチをかけたプレイヤーはロンすべきです。
麻雀のルールでは、リーチ後にすべての捨て牌が安全牌になります。
現物のスジを理解する
「スジ」を理解するだけで、振り込み率がぐっと下がります。
麻雀におけるスジとは、ほかのプレイヤーが捨てた牌から、待ち牌ではないことを予想する戦略です。
仮に、「5のピンズ」をリーチしているプレイヤーが捨てました。
リーチしているプレイヤーがリャンメン待ちの場合、3のピンズと4のピンズを持っていて、2と5のピンズがアガリ牌になる状況にはなりません。
よって、スジから2のピンズを捨てても大丈夫と推測できます。
スジを理解しているだけで、一部のリャンメン待ちの振り込みを防止できます。
自分のテンパイやアガリだけを目指さない
麻雀において、自分のテンパイやアガリを目指すことは当然の目標ですが、ほかのプレイヤーとの点差や局面を無視して、ただひたすらアガリを追うだけでは勝率が上がりません。
ただひたすらアガリを追うプレイは、振り込む状況を作ってしまいます。
初心者から一歩上のプレイをするには、「オリ」や「守り」を覚える必要があり、上級者は局の進行や他のプレイヤーの動向を観察し、あえて自分のテンパイを取らずに局を流す「オリ」や「守り」に徹する場面も多くあります。
自分の手が役や形の点でまだ不安定なとき、無理にテンパイを目指すと、逆に他家への振り込みリスクが高まるでしょう。
また、自分が親でない場合、ほかのプレイヤーに高い手ができそうな状況では、安易にアガリを目指すよりも、安全な牌を切って局を流す方が得策です。
上記に記載したように、時にはアガリを目指さずに、オリル選択をする盤面もあります。
麻雀で振り込まないための心構え
ここでは、麻雀で振り込まないための心構えと実践方法を紹介します。
麻雀で勝つためには、自分があがるだけでなく、ほかのプレイヤーへの振り込みを避けるプレイが大事になってきます。
そのため、麻雀に必要な心構えは、「守りの意識をもつ」です。
特に、リーチがかかっている場面や局面が進んでいるときは、リスク管理を最優先にプレイすべきです。
高い手を狙うよりも、相手がテンパイしている可能性を意識し、安全な打ち方を心がけましょう。
振り込まないように麻雀をプレイするときは、下記の対策を実践してください。
【実践するときのポイント】
- 現物(他家が捨てた牌)を優先する
- スジを活用してリスクを減らす
- ベタオリも時には有効
- 危険牌を切るタイミングを見極める
初心者が覚えるべき麻雀用語一覧
以下は、覚えておきたい麻雀用語の一覧です。
初心者の方は、麻雀を遊びながら覚えられると良いですね。
用語 | 意味 |
和了・アガリ | 自分の手牌が特定の役や形を満たして完成し、点数を得ることができる状態 |
牌 | 麻雀で使用される細長い四角形のゲーム用の駒 |
ロン | 他のプレイヤーが捨てた牌を使って自分の手牌を完成させるアクション |
役 | プレイヤーが手牌を完成させるために必要な特定の形や条件 |
親 | 親は通常、ゲーム開始時に最初に東風局(トン)を担当するプレイヤーで、特に点数計算やゲームの流れにおいて特別な位置・点数が通常の1.5倍 |
子 | 親(オヤ)以外のプレイヤー |
リーチ | プレイヤーが自分の手牌がテンパイ(あと1牌で和了)した状態になったときに宣言する |
ダマ | リーチをかけずにテンパイ(和了まであと1牌)を維持する状態 |
ポン | 他のプレイヤーが捨てた牌を使って自分の手牌から同じ牌を2枚出し、合計3枚の同じ牌を作る行為 |
チー | 自分の左隣(下家)のプレイヤーが捨てた牌を使って順子(しゅんつ、同じ種類の連続した3枚の牌)を作る行為 |
テンパイ | あと1枚で和了(アガリ)ができる状態 |
スジ | 安全牌の目安やリスクを見極めるために用いられる理論 |
ピンズ | 麻雀牌の種類の一つで、丸い形の図柄が描かれた牌 |
現物 | 他のプレイヤーがすでに捨てている牌 |
ベタオリ | 振り込みを避けるために完全に守りに徹し、和了を目指さずに安全牌だけを捨てていく戦略 |
麻雀の振り込みに関するよくある質問
麻雀の振り込みについて、よく寄せられる質問を解説します。
先に多くの人がわからないと感じる点を解消しておいて、スムーズに遊べるようにしておきましょう。
- 麻雀で「振り込み」と「放銃」の違いは?
-
「振り込み」と「放銃」は意味が一緒です。
相手のアガリ牌を捨てると、どちらも相手にあがられて点数を支払う行為になります。
- 麻雀でわざと振り込む行為は?
-
麻雀で「わざと振り込む行為」は「差し込み」や「調整打ち」といわれます。
通常の振り込みとは異なり、意図的に相手の待ち牌を捨ててあがらせる行為です。
一見、わざと振り込む行為は負けのアクションと考えられますが、戦略的行為として用いられます。
差し込みの目的は下記が挙げられます。
- トップ目をキープするため
自分がトップであり、局の終わりが近い場合、ほかのプレイヤーのアガリによって自分を有利にする - 特定のプレイヤーを有利にするため
2位や3位のプレイヤーが強い手を張っている場合に、低い点数のほかのプレイヤーに振り込むことで、自分の1位の座を揺るがない立場にする - 点数調整
順位戦やトーナメント戦などで、最終的なポイントや順位が重要な場合、意図的に振り込むことで自分と相手の順位や点数を調整するケース
上記のテクニックを使って、上級プレイを目指しましょう。
わざと振り込む行為は特定の戦略的な目的がありますが、時と場合によってはルール違反やマナー違反と見なされる場合もあるため、慎重な判断が必要です。
- トップ目をキープするため
- 麻雀で「振り込むな」とはどういう意味ですか?
-
相手のアガリ牌を捨てないようにする行為です。
振り込むとは、テンパイしている相手のアガリ牌を捨ててしまって、ロンされた状況を指します。
- 麻雀でベタオリとは?
-
「ベタオリ」とは、麻雀で自分がアガリを諦める行為です。
ほかのプレイヤーへ振り込むリスクを完全に避けるため、安全牌だけを切り続けて局を流す防御的な戦術がベタオリです。
ベタオリの主な目的は、振り込みによる失点を防ぐことにあります。
自分が無理にテンパイやあがりを目指すと、ほかのプレイヤーの待ち牌に当たり、放銃(振り込み)するリスクが高まります。
ベタオリをすることで、その局での失点を抑えることが可能です。
- 麻雀でテンパイとは?
-
「テンパイ」とは、麻雀においてあと1枚であがりの形が完成する状態を指します。
テンパイになると、次に特定の牌を引くか、他のプレイヤーがその牌を捨てることで「ロン」または「ツモ」によってあがれます。
テンパイは、手がほぼ完成している状態であり、あがりに最も近い形です。
麻雀で振り込むと大きな失点になるので注意!
今回は麻雀の「振り込む」行為について解説しました。
麻雀における「振り込む」とは、自分が捨てた牌によって他のプレイヤーがことを意味します。
振り込むと、あがった相手に対して点数を支払わなければならず、場合によっては大きな失点となります。
当記事を読んで、振り込まない麻雀プレイを学んで、麻雀のスキルアップにつなげましょう。