麻雀の役の中でもっとも点数が高いのは「役満」で、「国士無双(コクシムソウ)」はそんな役満の一種です。
役満はそれぞれかなり難しい条件を設定されていますが、麻雀をプレイする方にとって「憧れ」の役なので、狙えるチャンスがあれば狙っていきたいところです。
本記事では、国士無双という役の成立条件や発生確率などを説明します。
併せて、国士無双を狙うときの注意点や意識すべきポイントについても説明するので、国士無双について詳しく知りたい初心者の方はぜひ参考にしてください。
国士無双(コクシムソウ)とは麻雀の役満のひとつ!成立条件や点数を解説
国士無双は、「萬子」「筒子」「索子」の1,9牌と「東」「南」「西」「北」「白」「発」「中」のすべての字牌を1枚ずつと、その中のどれか1つをもう1枚そろえることで成立する役満です。

上の牌姿の場合、国士無双の成立に必要な牌のうち「東」以外がすべてそろっているので、「東」をツモるか「東」が他家から切られたらアガりとなります。
国士無双は役満なので、アガった場合の点数は親で48,000点(ツモだと16,000オール)、子で32,000点(ツモだと8,000、16,000)です。
他の役と比べるとかなり異質な役
麻雀には役満を含めて数多くの役がありますが、国士無双はほかの役と比べるとかなり異質な役といえます。
基本的に麻雀は、「4つの面子と1つの頭」を作ってアガることを目指すゲームです。
「4つの面子と1つの頭」に設けられたさまざまな条件を満たすことで、「平和」や「三色同順」などの役が付きます。
しかし、国士無双ではそういった形を一切作らず、決められた牌を1枚ずつ(どれか1種類は2枚)集めることで役が成立します。
役の成立条件を考える場合、国士無双はほかの役とは別の枠組みで考えたほうがよいでしょう。
13面待ちはダブル役満扱いの場合がある
国士無双は、テンパイ形によって「13面待ち」と呼ばれる待ちになることがあります。
国士無双は、「13種類のヤオチュー牌すべてを1枚ずつ+ヤオチュー牌のうちどれか1枚」を集めることで成立する役です。
つまり、「13種類のヤオチュー牌すべてをかぶりなく1枚ずつもっている」形でテンパイすることも考えられます。

上の牌姿はまさにそのような形ですが、このテンパイ形の場合、アガり牌は「1萬」「9萬」「1筒」「9筒」「1索」「9索」「東」「南」「西」「北」「白」「発」「中」の13種類です。
そのため、「国士無双13面待ち」と呼ばれることがあります。
ルールによっては国士無双13面待ちはダブル役満扱いであり、その場合の点数は親で96,000点(ツモだと32,000オール)、子で64,000点(ツモだと16,000、32,000)です。
麻雀で国士無双(コクシムソウ)が発生する確率
麻雀で国士無双が発生する確率は約0.04%といわれています。
2,500回対局して1回程度の発生率なので、出現率はかなり低いです。
ただし、それはあくまでも一般的な役と比較した場合で、役満同士で比較すると国士無双はかなり出やすい役満です。
同じ役満である「小四喜」と「字一色」の出現確率がそれぞれ約0.01%であることを考えると、国士無双が出やすい役満であることがおわかりいただけるでしょう。
とはいえ、かなり珍しい役であることに変わりはないですし、役満をアガることで対局を有利に進められるので、狙えるチャンスのある配牌が回ってきたら積極的に狙いたいところです。

麻雀の国士無双(コクシムソウ)と複合する可能性がある役満
麻雀では、手牌で複数の役の条件を満たした場合、それらをすべて合計して点数計算を行いますが、役満は一般の役とは複合せず、役満のみで点数を計算します。
ただし、役満同士が複合した場合は話が別で、たとえば「小四喜」と「字一色」の両方の条件を満たした場合は、ダブル役満扱いになります。
とはいえ、国士無双は成立条件がかなり特殊なのでほかの役満とはほぼ複合せず、複合する可能性があるのは「天和」と「地和」だけです。
天和は、親が配牌で配られた13枚+最初にツモってくる1枚でアガることができたときに成立する役満です。
つまり、国士無双と天和が複合するためには、親が最初の14枚で国士無双の条件を満たさなければなりません。

上の牌姿の待ちは「発」なので、第一ツモで「発」をツモってきた場合のみ、国士無双と天和が複合します。
地和は、子が配牌で配られた13枚+最初にツモってくる1枚でアガることができたときに成立する役満です。
ただし、自分が最初の牌をツモる前に他家がポンやチーなどの鳴きを入れた場合は、地和は成立しません。

先ほどと同じ牌姿をもう一度出しますが、子が第一ツモで「発」をツモってきた場合のみ、国士無双と地和が複合します。
国士無双は役満なので、一般的な役と比べると出現率がかなり低いです。
また、天和や地和は役満の中でもかなり出現率が低いので、両者が複合するのは天文学的に低い確率です。
とはいえ複合する可能性は0%ではないので、麻雀を何度も何度も打っていれば、こういったシーンに遭遇することもあり得ると覚えておきましょう。

麻雀の国士無双(コクシムソウ)を狙うときの注意点
国士無双は高打点である役満の一種なので、狙える配牌が来たら積極的に狙っていきたいところです。
ただし、そもそも条件が厳しい役だけに、狙うにあたって注意すべき点もいくつかあります。
麻雀で国士無双を狙うときの注意点を、以下で説明しましょう。
1,9字牌がどれか1種類でも場に4枚見えたら成立しなくなる
麻雀の牌は、同じ種類のものが4枚あります。
国士無双は、「6種類の1,9牌と7種類の字牌をそれぞれ1枚ずつ+どれか1種類をもう1枚」集めなければ成立しません。
そのため、他家の切った牌や鳴きに含まれる牌で、1,9牌と字牌のうちいずれか1種類でも4枚所在が明らかになってしまうと、国士無双は成立しなくなります。
字牌は役牌としてポンされることも多いですが、その瞬間に残りは1枚になるので、残りの1枚が場に切られる前にテンパらなければアガることはできません。
ルール次第では暗槓に対して槍槓が成立する
麻雀には、「他家が加槓した牌でアガる」ことで成立する「槍槓」という役があります。
加槓とは、すでにポンしている牌の4枚目をツモってきたときに、その牌を河に捨てる代わりにカンを行う行為です。
槍槓が成立するのはあくまでも「加槓」に対してだけであり、同じ種類の牌が4枚ともすべて自分の手牌にあるときに行う「暗槓」に対しては成立しません。
しかし、ルール次第では国士無双でテンパっているときのみ、暗槓に対しても槍槓が成立する場合があります。
そのため、他家が国士無双を狙っており、ルール上で暗槓に対する槍槓が成立すると決められている場合は、国士無双に必要な牌を暗槓するかどうかは慎重に判断しなければなりません。
チャンタや混老頭などの逃げ道も残しておく
国士無双は、必要な牌のうち1種類でも場に4枚見えてしまった瞬間に、成立しなくなります。
ヤオチュー牌はタンヤオ牌と比べると序盤に切られやすいですし、風牌や三元牌は他家にポンされることも多いです。
そのため、序盤~中盤に国士無双の可能性が潰えてしまうことも珍しくありません。
そのようなときの対策として、必要とする牌が国士無双と重複しやすいチャンタや混老頭などの逃げ道も残しながら、手牌を進めていくようにしましょう。

上の牌姿で国士無双を狙う場合、「2筒」「7筒」「4索」が不要牌ですが、このうち「2筒」「7筒」はチャンタになった場合に使う可能性がある牌です。
そのため、国士無双がダメになった場合のことを考えて、まずはチャンタにも不要な「4索」から捨てていくのがおすすめです。

麻雀の国士無双(コクシムソウ)を狙うときに意識したいポイント
国士無双はテンパイするだけでも難しい役ですが、テンパイしただけでは点数は入らないので、アガり切らなければ意味がありません。
麻雀で国士無双を狙ってアガり切るために意識したいポイントを、以下で説明しましょう。
可能なら捨て牌に多少迷彩をかける
国士無双ではタンヤオ牌を一切必要としないため、序盤からタンヤオ牌をどんどんと河に切っていくことになります。
一般的な手牌進行ではそのような捨て牌にはなりにくいため、河があまりにも派手になりすぎると、「国士無双を狙っている」ことが透けてしまいます。
そこで、可能であればでかまわないので、捨て牌に迷彩をかけることを意識しましょう。

上の牌姿で国士無双を狙う場合、「3筒」と「7筒」がいらないことは明らかですが、2枚ある牌は1種類だけでよいため、「東」と「南」もどちらか1枚必要ありません。
普通の手牌進行だと、「東」や「南」よりも先に「3筒」や「7筒」が切られるのはやや不自然です(安牌を残しておきたいなどの意図がある場合もありますが)。
先に「東」もしくは「南」を切って、後から「3筒」や「7筒」を切ることで、国士無双の雰囲気を少しでもごまかして他家からのロンアガりを狙いやすくなるでしょう。
リーチをかけたほうがアガりやすくなる場合もある
配牌とツモ次第では、4~7巡目あたりに国士無双をテンパイすることもあります。
国士無双に必要なヤオチュー牌はタンヤオ牌と比べると手牌構成で使いにくいので、黙っていても他家から当たり牌が切られる可能性は十分あります。
しかし、待ち牌が字牌でその牌を他家が対子以上でもっている場合、なかなか河に切られることはありません。
そこで、テンパイの巡目が速く待ちが字牌のときは、リーチをかけることも検討しましょう。

たとえば上のような捨て牌でリーチがかかった場合、他家は放銃しないように対応します。
現物を切ってほぼ降り気味に進める人、当たりにくそうな牌を切りながら様子を見る人など、対応の仕方は人それぞれです。
そして、もし他家の手牌に字牌の対子があった場合、「当たりにくそうな牌を切って2順しのげる」ため、字牌が切られる可能性は十分あります。
とくに、当たり牌となる字牌がすでに場に1枚もしくは2枚切られている場合は、そういった判断をする人の割合が増えやすいです。
役満でリーチをするのはなかなかレアケースですが、国士無双に限っては巡目と待ち牌を踏まえてリーチをかける選択肢があることも、念頭に置いておきましょう。
13面待ちがダブル役満ならフリテンリーチもあり
テンパイ時に牌の被りが一切ない「13面待ちの国士無双」は、ルールによってはダブル役満扱いになる場合もあります。
役満を狙わなければならない状況というのは、自分の点数がかなり沈んでいるときですが、点数状況によっては役満をアガってもトップになれないこともあります。
しかし、ダブル役満をアガってもトップになれない状況は、ほぼありえません。
そのため、国士無双13面待ちがダブル役満扱いになるルールでシンプルに国士無双をツモったものの、それではトップに慣れない場合は、13面待ちにしてフリテンリーチをする選択肢もありです。
フリテンリーチではロンができないので、当たり牌を自力でツモるしかありません。
しかし、フリテンリーチの国士無双の当たり牌の枚数は13×4-13-1=38枚から場に見えているヤオチュー牌を引いた枚数なので、少なくとも10枚程度は山にあるはずです。
ダブル役満をツモれる可能性と通常の役満ツモを捨てるリスクを天秤にかけて考えても、フリテンリーチをする価値が十分あるといえるはずです。

チャンスが来たら麻雀で国士無双(コクシムソウ)を狙ってみよう
国士無双は、「萬子」「筒子」「索子」の1,9牌と「東」「南」「西」「北」「白」「発」「中」のすべての字牌を1枚ずつと、その中のどれか1つをもう1枚そろえることで成立する役満です。
ほかの役と比較すると成立条件がかなり特殊な役で、配牌がバラバラであっても狙えるため、一発逆転を狙うときには重宝します。
ただし、捨て牌がかなり派手になりがちなので、狙いが相手にバレやすい特徴があります。
捨て牌に多少迷彩を施したり、テンパイ巡目と待ちによってはリーチをかけたりなど、なるべく「一般的な手」を偽装することを心がけましょう。
点数条件のある場合などにアガって逆転できるととても気持ちよいので、ぜひ狙ってみてください。