麻雀の刻子(コーツ)の意味とは？順子・槓子との違いや符、刻子が大事な役等を解説

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美園 京介 (編集長)

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麻雀の用語にはあまり聞き慣れないものも多いですが、用語を知らなければ麻雀に関する会話をしているときに話に付いていけない可能性があります。

ただ、「今の言葉よくわからなかったんだけど…」と話を止めるのは、自分の知識不足を露呈することになるため、恥ずかしいと感じる方もいるのではないでしょうか。

会話で出てくる機会が多いものの、麻雀歴が浅いと意味がピンと来ない可能性がある用語のひとつに、「刻子(コーツ)」があります。

本記事では、麻雀の「刻子(コーツ)」について解説します。

併せて、刻子が多い手を狙うメリット・デメリットなども解説するので、麻雀が強くなりたい方はぜひ参考にしてください。

麻雀の刻子(コーツ)とは？

麻雀の刻子とは、「同じ牌を3枚揃えることで成立する面子」のことです。

たとえば、以下の牌姿を見てください。

上の牌姿は「5-8萬」の両面待ちでテンパっていますが、すでに完成している面子は「2萬-3萬-4萬」、「2筒-2筒-2筒」、「北-北-北」の3つです。

このうち、「2筒-2筒-2筒」と「北-北-北」が同じ牌を3枚揃えることで成立しているので、「刻子」に該当します。

また、以下の牌姿も見てもらいましょう。

先ほどの牌姿と面子構成はまったく同じですが、「北」がポンされています。

しかし、ポンされていても「同じ牌を3枚揃えることで成立している面子」であることに変わりはないので、この牌姿でも「2筒-2筒-2筒」と「北-北-北」が「刻子」です。

最初の例での「2筒」「北」のようにすべて自力で揃えた刻子を「暗刻」、後半の例での「北」のようにポンで揃えた刻子を「明刻」といいます。

暗刻と明刻は、点数計算において大事な符も以下のように異なります。

暗刻と明刻は、名前と符の違いをセットで把握しておきましょう。

順子との違い

麻雀では面子を作るときの形が、大きく「刻子」と「順子」に分けられます。

刻子が「同じ牌を3つ揃えてできる面子」であるのに対して、順子は「同じ種類の数牌で連続する3つの数字を揃えてできる面子」です。

冒頭で出した牌姿を、もう一度見てみましょう。

この牌姿では「2筒-2筒-2筒」と「北-北-北」は刻子ですが、「2萬-3萬-4萬」は「連続する3つの数字を揃えてできている面子」なので、「順子」です。

刻子は面前かどうかで「暗刻」と「明刻」という表現の違いがありますが、順子は面前かどうかによる表現の違いはありません。

また、順子では牌の種類や面前かどうかに関わらず、符は付きません。

槓子との違い

麻雀の少しイレギュラーな面子構成パターンに、「槓子」があります。

刻子が「同じ牌を3つ揃えてできる面子」であるのに対して、槓子は「同じ牌を4つ揃えてできる面子」です。

しかし、麻雀の面子構成は基本的に「3枚1組」なので、槓子は手牌で揃えるわけではなく、鳴きの一種である「カン」を駆使して揃えることになります。

たとえば、以下の牌姿を見てください。

先ほど例で挙げた牌姿とほぼ同じですが、副露されている「北」が4枚になっています。

自分の手牌に3枚「北」があるとき、4枚目の「北」が場に切られたときに「カン」を宣言すると、上のような牌姿になります。

このとき、「北」は4枚1セットになっているので、「刻子」ではなく「槓子」です。

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麻雀で刻子(コーツ)が大事な主な役

麻雀にはさまざまな役がありますが、それぞれの役には成立条件が設けられており、刻子が成立条件に含まれる役も多々あります。

麻雀で刻子が大事な役割を担う役を、いくつか紹介します。

なお、役満も刻子で構成されるものは多いですが、今回は一部の紹介のみに留めていますので、その点はご了承ください。

対々和

対々和は、「手牌の4組の面子をすべて刻子で揃える」ことで成就する2翻役です。

鳴いても成就し、食い下がりはありません。

上の牌姿の待ちは「9萬」と「8索」で、どちらでアガっても対々和が成就します。

三暗刻

三暗刻は、「手牌で暗刻を3つ作る」ことで成就する2翻役です。

鳴いても成就し、食い下がりはありません。

上の牌姿の待ちは「8萬」と「白」で、どちらかをツモれば「9筒」「6索」「ツモった牌」で3つの暗刻ができるので、三暗刻が成就します。

なお、「8萬」と「白」のいずれかをロンアガりした場合、暗刻は「9筒」「6索」の2つだけなので三暗刻は成就せず、「対々和」でのアガりです。

三色同刻

三色同刻は、「「萬子」「筒子」「索子」のそれぞれで「同じ数の刻子」を揃える」ことで成就する2翻役です。

鳴いても成就し、食い下がりはありません。

上の牌姿の待ちは「1萬」と「8索」ですが、アガり牌やアガり方によって、成就する役および点数が大きく異なります。

「1萬」と「8索」のどちらでアガったか、およびツモかロンかによる点数の違いは、以下のとおりです。

四暗刻(四暗刻単騎)

四暗刻は「手牌で暗刻を4つ作る」ことで成就する役で、打点がもっとも高い役満の一種です。

手牌で暗刻を4つ作るためには鳴きを入れることはできないので、四暗刻は面前でしか成就しません。

上の牌姿の待ちは「9索」と「西」で、いずれかをツモることで「5萬」「2筒」「1索」「ツモった牌」の4種類が暗刻になるので、四暗刻が成就します。

ロンアガりでは「5萬」「2筒」「1索」の3種類しか暗刻にならないので四暗刻にはならず、三暗刻止まりです。

このように、シャンポン待ちで四暗刻をテンパった場合、ツモらなければ四暗刻にはなりません。

ロンアガりでも四暗刻が成就するためには、たとえば以下のような牌姿でテンパイする必要があります。

上の牌姿の待ちは「4索」単騎で、すでに「3萬」「8萬」「7筒」「発」の4種類の牌が暗刻になっているので、四暗刻の条件が成立しています。

このように、ロンアガりでも四暗刻が成就する牌姿では待ちが必ず単騎になるので、とくに「四暗刻単騎」と呼ぶことが多いです。

ルールによっては、四暗刻単騎をダブル役満扱いすることもあります。

大三元

大三元は、「「白」「発」「中」の三元牌をすべて刻子または槓子で揃える」ことで成就する役で、四暗刻と同じく役満です。

上の牌姿の待ちは「8筒」と「中」ですが、テンパイ形で「白」と「発」の刻子ができあがっています。

アガり牌のうち「中」でアガることで「中」も刻子になるので、大三元が成就します。

なお、「8筒」でアガると「中」だけ刻子にならないので、大三元ではなく小三元という役でのアガりです。

麻雀で刻子(コーツ)が多い手を狙うメリット

麻雀の面子は刻子と順子に分けられ、配牌を見て成立させやすい形で面子を構成していくことになります。

手役の条件さえ満たせば面子は順子でも刻子でもかまいませんが、刻子が多い役を狙うことは攻守において有利に働く場合があります。

麻雀で刻子が多い手を狙うメリットを、紹介しましょう。

手牌進行が速くなる

刻子系の手は、ポンで手を進められるのが大きなメリットです。

面前で進めなければならない手だと、自分のツモ番で有効牌を引けなければ、次の自分のツモ番まで待つしかありません。

しかし、ポンで手を進めることができる手であれば、ほかの対局者3人が自分に必要な牌を切ったときに、鳴いて手を進めることができます。

鳴きで手を進めるという観点では「チー」も同じですが、チーが上家の切った牌のみであるのに対して、ポンはほかの全員から鳴くことが可能です。

面前での進行に対して、チーありの手は自分のツモと上家の切る牌で2倍の速度、ポンありの手は自分のツモと上家・対面・下家の切る牌で4倍の速度とも考えられます。

この点も、刻子系の手の進行が速くなりやすい理由のひとつといえるでしょう。

他家にプレッシャーをかけやすい

ポンで鳴いて手を進めることは、ほかの対局者に自分の手牌の一部をバラすということでもあります。

手牌の一部がバレてしまうことにはメリットもデメリットもありますが、こと「プレッシャーをかける」という点では、有利に働く場合があります。

たとえば、以下の2つの牌姿を見てください。

上の牌姿はドラポンで満貫以上が確定しているため、他家も不用意な牌を切りにくくなります。

下の牌姿は「発」と「中」の刻子が見えているため、「白」で放銃すると大三元になる可能性があります。

たとえチャンス手のイーシャンテンだったとしても、「白」をもってきた対局者は方向転換せざるを得ません。

このように、相手に対して晒す牌の種類によっては、プレッシャーをかけて対局を有利に運べる可能性があります。

麻雀で刻子(コーツ)が多い手を狙うデメリット

上述したように、麻雀で刻子が多い手を狙うことには攻守両面でのメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。

麻雀で刻子が多い手を狙うデメリットを、紹介します。

他家に狙いがバレやすい

ポンで手を進める場合、鳴く牌の種類によっては他家に狙いがバレてしまう可能性があります。

役牌を鳴いた場合は、その時点で役が確定しているので、そのほかの面子構成はどのような形でも問題ありません。

しかし、ポンをして以下のような副露になった場合、他家はどのように考えるでしょうか。

この段階では、まだハッキリと役がわかるわけではないため「タンヤオ？」「混一色？」など、他家も仕掛けの内容に関して手探りな段階です。

では、もう1回ポンをして以下のような副露になった場合を考えてみます。

この時点でタンヤオも混一色も可能性としては消えるため、対々和や役牌などに役が絞られてしまいます。

そのため、アガりの必要なキー牌を他家が止めてしまって、アガれなくなってしまうかもしれません。

偶発的な打点アップが狙いにくい

ポンをするとリーチをかけられなくなるため、「一発」や「裏ドラ」といった偶発的な打点アップが狙いにくくなります。

そもそもリーチが1翻の役なので、リーチをかけられないこと自体が、打点的な価値の減少につながるとも考えられます。

偶発的な打点アップが見込めない以上、刻子系の手は鳴いても満貫以上が狙えるようなときに狙うのがおすすめです。

具体的な例としては、「対々和、ドラ3」や、「役牌×2、混一色」などが挙げられます。

鳴いても1翻や2翻程度であることが対局者にバレてしまうと、大したプレッシャーにもならないので、攻め込まれて形勢逆転してしまう可能性が高いでしょう。

守備力が不安になることが多い

ポンで手を進めると、守備力が不安になる場合が多いです。

1回ポンをすると手牌は10枚に、2回ポンをすると手牌は7枚になるため、2回ポンをすると自由に切ることができる手牌は通常の半分程度の枚数しかありません。

その状態で他家からリーチを受けると、手元にある手牌を切りながら対応しなければなりませんが、切れる牌の種類が少ないため、厳しい戦いを強いられることになります。

とくに、守備にあまり自信がない方が手牌を短くしてしまうと、放銃する可能性はかなり高くなるでしょう。

ポンで手を進める場合は、ポンの回数をなるべく抑えてある程度安全も確保しながら進めるか、ポンの回数を増やしてでもなるべく早くアガり切ってしまうのがおすすめです。

麻雀の刻子(コーツ)は同じ牌を3枚そろえることで成立

麻雀の刻子は、「同じ牌を3枚揃えることで成立する面子」で、自力で揃えた場合は暗刻、ポンで揃えた場合は明刻と呼ばれます。

順子とは異なり刻子には符が付くので、刻子が多い手は符ハネによって点数が上がることがあります。

また、役には手牌構成として刻子を必要とするものも数多くあり、大三元や四暗刻といった役満は大半が刻子系です。

ドラポンや役満が見えるようなポンで仕掛けをすれば、対局者に対してプレッシャーをかけることもできます。

ただし、複数回ポンをすると手牌がかなり短くなるので、攻められた場合の守備力には不安が残るかもしれません。

自分の守備力を踏まえたうえで、バランスの取れた麻雀を打つことを意識しましょう。

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