麻雀は決められたルールに沿って牌の組み合わせを作り、アガりを目指すゲームですが、牌の組み合わせ方にはいくつかのパターンがあります。
組み合わせ方のひとつに「対子」と呼ばれるものがありますが、麻雀のルールを知って間もない方だと「対子」がどういったものかどころか、何と読めばよいのかもわからないかもしれません。
本記事では、麻雀における「対子」について読み方や概要を解説します。
併せて、対子が多い手牌で狙いやすい役なども紹介しますので、麻雀のことを知って間もない初心者の方はぜひ参考にしてください。
麻雀の「対子」とは？読み方と概要を解説
まずは、麻雀における「対子」の読み方や概要から説明していきましょう。
読み方は「トイツ」
「対子」の読み方は、「トイツ」です。
麻雀にはほかにも「順子」と書いて「シュンツ」と読んだり、「刻子」と書いて「コーツ」と呼んだりするものがあるので、「～子」の読み方は「～ツ」と考えておくとわかりやすいでしょう。
対子とは同じ牌が2枚1セットあること
麻雀では、「同じ牌が2枚1セットになっているもの」のことを「対子」と呼びます。
つまり、1筒が2枚あれば「1筒の対子」ですし、西が2枚あれば「西の対子」です。
麻雀の対子を活用するか処理するかはケースバイケース
麻雀では、対局中の手牌に対子が複数組できているケースが多いです。
この対子を活用するのか、それとも処理してしまうのかは、ケースバイケースといえます。
以下でいくつかの例を挙げながら、対子の扱い方を説明しましょう。
ターツが十分そろっているとき
麻雀では「3枚1セット」の牌の組み合わせを作る必要があり、
- 同じ牌を3枚集めたもの(6筒・6筒・6筒など)は「刻子」
- 数字が階段になっている3枚の牌の組み合わせ(2索・3索・4索など)は「順子」
と呼ばれます。
刻子の一歩手前が今回説明している「対子」であるのに対して、順子の一歩手前は「塔子(ターツ)」と呼ばれる組み合わせです。
対子から刻子にしようと思うと、今ペアでもっている牌をさらに1枚集めなければならず、最大で2牌しかありません。
一方、たとえば「2索-3索」の塔子を順子にしようと思うと、「1索」もしくは「4索」のどちらかがあればOKであり、最大で8枚あります。
そのため、「3枚1セットの牌の組み合わせ」を作るためには、対子よりも塔子のほうが効率が良いです。
手の中に塔子が十分揃っている場合は、対子は処理するほうが理にかなっています。
たとえば手牌が上のようになっていれば、
- 「2萬-3萬」
- 「7筒-8筒」
- 「7索-8索」
と塔子が十分あるので、「1索」もしくは「東」の対子を処理するのがおすすめです。
対子が5つ以上あるとき
対子が5つ以上あるときは、それらの対子を活かして「七対子」という役を狙うのがおすすめです。
七対子はその名のとおり「対子を7セット作る」ことで成立する役で、「3枚1セットの牌の組み合わせ」を作るのが基本の麻雀において、かなり異質な役です。
しかし、対子が5つ以上あればほかの役を狙うよりも七対子を狙ったほうが効率がよいので、七対子を本線にして考えるとよいでしょう。
たとえば上の手牌では対子が5つあるため、「4索-5索」の塔子を処理しながら七対子に進むのがおすすめです。
対子が3つ～4つあるとき
対子が3つ～4つあるときの判断は、非常に難しいです。
上述したように対子が5つできてしまえば、七対子に舵を切るのがよいのですが、3つ～4つぐらいだと普通の手を狙うべきなのか七対子を狙うべきなのかの判断がなかなかつきません。
これに関しては本当にケースバイケースで、
- 「順子を作るための有効牌がどれくらい残っているか」
- 「処理する対子は他家に対して危険ではないか」
- 「残り順は何順あるか」
など、さまざまなことを考慮したうえで判断する必要があります。
たとえば上の手牌は、「対子が5つ以上あるとき」で紹介した手牌と非常に似ていますが、対子が1つ減り代わりにその部分が「7索-8索」という塔子になっています。
こういった手牌で七対子と普通の手でどちらに進むかは、
- 「3-6-9索が何枚残っているか」
- 「東場かどうか(東が役になるかどうか)」
- 「1萬や6萬や5筒はポンできそうか」
などを踏まえて考えなければなりません。
麻雀で対子が多いときに狙いやすい役
手牌に対子が多いときは、狙いやすい役と狙いにくい役が明確に分かれます。
手牌に対子が多いときに狙いやすい役を、以下で紹介しましょう。
七対子
手牌に対子が多いときにもっとも狙いやすい役は、もちろん七対子です。
手牌に4つ程度対子ができたら七対子を意識し始めて、5つできたら明確に七対子を狙うとよいでしょう。
七対子は最後の待ち牌を自由に選択できますし、対子であれば牌の種類は問われないので、相手にとおりやすい牌をキープしながら手を進めることもできる便利な役です。
対々和
対子が多いということは、「ポンできる材料がたくさんある」ということでもあります。
そのため、手牌を「4つの刻子＋1つの対子」で構成する対々和も、対子が多めの手牌にとっては相性のよい役です。
対々和は面前で進める必要がないので比較的早めにテンパイにたどり着ける可能性が高く、ドラの枚数によっては打点も見込めるので、対局者にプレッシャーをかけやすいのもメリットです。
麻雀で対子を処理する際の注意点
手牌の方向性によっては、対局中に対子を処理しなければならないケースもあります。
対子を処理する際の注意点を、以下で説明しましょう。
狙っている手役がバレやすくなる
対子を手牌から処理したことが他家に見抜かれると、「七対子や対々和を狙っているわけではない」という情報を与えることになります。
その結果、ほかの捨て牌や切り順、鳴いている牌なども考慮して、狙っている手役がバレる可能性があります。
こういった情報から手役を見抜けるのは、ある程度の経験を積んだ中級者以上のプレイヤーです。
初心者同士で対局する場合はあまり気にする必要はありませんが、将来的にはそういった懸念があることも考慮する必要があるでしょう。
手牌構成が読まれやすくなる
バレやすくなるのは手役だけでなく、手牌構成も読まれやすくなります。
たとえば「3索-4索-4索-4索」や「4索-4索-4索-5索」が手牌にあったとすると、ここから「4索の対子落とし」をすることはほとんどありません。
そのため、「4索の対子落とし」をした時点で、「3索-4索」や「4索-5索」といった塔子が手牌にあるケースはほとんどないことがバレてしまいます。
今回紹介したのはごく基本的な例ですが、ほかにも対子落としをすることで手牌構成が透けやすくなるケースはあるので、十分注意しなければなりません。
まだテンパイしていない可能性が高いことがバレやすくなる
麻雀では他家に自分の手牌が見えていない以上、リーチをしたり裸単騎になったりしない限りは、テンパイしていることが明確に伝わることはありません。
それと同様に、「自分がテンパイしていないこと」を他家が正確に察知するのはなかなか難しいです。
ただし、対子落としが発生した際は話が別です。
対子落としが発生するのは「手牌の方向性を決めるタイミング」が大半であり、テンパイ直前に対子落としが行われるケースはあまりありません。
そのため、対子落としの時点ではテンパイしていない可能性が高いと、他家は読めてしまうわけです。
テンパイしているいないの情報は麻雀の対局においてとても重要な情報なので、対子落としをする際はその影響を十分考える必要があります。
麻雀では手牌と相談しながら対子の扱いを決めよう
手牌のある対子を活用するのか処理するのかの判断は、ケースバイケースで異なります。
対子が多ければ七対子や対々和を狙うのが効率的ですし、あまり多くなければ場合によっては処理する必要があるでしょう。
対子の扱い方は麻雀の腕が出る部分でもあるので、何度も実践を経験しながら、自分なりに対子を扱う際のルールを確立していくのがおすすめです。
